老後資金を準備する方法として、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)への積立を考えている人も多いのではないでしょうか。
「オルカンは老後資金に向いている?」
「40代から始めても間に合う?」
「新NISAだけでどのくらい老後資金を作れる?」
このような疑問を持つ人もいるでしょう。
結論からいうと、オルカンは老後資金を長期的に「作る」ための選択肢として活用しやすい投資信託です。
世界中の株式へ分散投資でき、新NISAを利用すれば運用益も非課税になります。
ただし、老後資金のすべてをオルカンにしておけば安心というわけではありません。
老後が近づいたら、暴落への備えとして現金なども組み合わせることが重要です。
この記事では、40歳から60歳までオルカンを運用した場合のシミュレーションを、新NISAの非課税保有限度額1800万円を超えない範囲で紹介します。
老後の暴落対策や取り崩し方についても考えていきましょう。
オルカンが老後資金づくりに向いている理由
オルカンは、日本を含む先進国・新興国の株式へ幅広く分散投資できる投資信託です。
老後資金づくりと相性がよい理由のひとつが、
「長期・積立・分散投資」を1本で実践しやすいこと
です。
老後資金は数年で準備するものではありません。
例えば40歳から60歳までなら20年間あります。
その長い時間を利用して、世界中の企業の成長に投資できるのがオルカンの特徴です。
また、
「米国株を何%にする?」
「日本株はどのくらい?」
「新興国も買ったほうがいい?」
と自分で細かく決める必要もありません。
基本的にはオルカン1本でも世界中へ分散できるため、投資初心者でも管理しやすいでしょう。
老後まで10年、20年と続ける投資では、運用方法がシンプルで続けやすいことも大きなメリットです。
↓オルカンの特徴や投資先について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。↓

老後資金づくりなら新NISAを活用したい
オルカンで老後資金を準備するなら、まず活用を考えたいのが新NISAです。
新NISAには、
つみたて投資枠:年間120万円
成長投資枠:年間240万円
があり、併用すると年間最大360万円まで投資できます。
そして非課税保有限度額は、1人あたり合計1800万円です。
ここで覚えておきたいのが、1800万円は「評価額の上限」ではないということです。
例えばNISAで購入した商品の投資元本が1800万円に達した後、運用によって、
1800万円 → 2500万円 → 3000万円
と増えても、値上がりしたことを理由に非課税保有限度額を超えるわけではありません。
つまりNISAの1800万円を長期間運用し、老後まで成長させることもできます。
運用益を非課税にできるため、長期間運用する老後資金と新NISAは相性がよいといえるでしょう。
40代からオルカンを積み立てるといくらになる?
では、40歳から新NISAを使ってオルカンを積み立てた場合、60歳時点でどのくらいの資産になるのでしょうか。
今回は、
毎月3万円・5万円・8万円・10万円
の4パターンで比較します。
ただし、新NISAの非課税保有限度額は1800万円です。
そのため、1800万円に到達するケースでは、その時点で新規の積立を終了し、それまでに購入したオルカンを60歳まで運用するものとします。
年利5%で運用できたと仮定した場合の概算がこちらです。
| 毎月の積立額 | NISAへの投資元本 | 積立期間 | 60歳時点の資産額の目安 |
|---|---|---|---|
| 3万円 | 720万円 | 20年間 | 約1,230万円 |
| 5万円 | 1,200万円 | 20年間 | 約2,055万円 |
| 8万円 | 1,800万円 | 約18年9か月 | 約3,030万円 |
| 10万円 | 1,800万円 | 15年間 | 約3,230万円 |
※40歳から積立を開始し、年利5%で運用できたと仮定した概算です。投資元本が1800万円に達した後は追加投資せず、60歳まで運用を続けるものとしています。実際の運用成果を保証するものではありません。
毎月3万円なら20年間の元本は720万円。
年利5%で運用できれば、60歳時点では約1230万円になります。
毎月5万円なら、
元本1200万円 → 約2055万円
です。
そして8万円と10万円では、途中でNISAの1800万円に到達します。
↓積立を続けて資産が500万円・600万円・1000万円まで増えると、その後の複利効果も大きくなってきます。資産額ごとの将来シミュレーションはこちらで詳しく紹介しています。↓

8万円と10万円は1800万円到達後も運用を続ける
毎月8万円の場合、
8万円 × 225か月=1800万円
となるため、約18年9か月で1800万円に到達します。
40歳から始めれば、58歳9か月ごろです。
そこから60歳まで約1年3か月は追加投資せず、オルカンをそのまま運用します。
一方、毎月10万円なら、
10万円 × 180か月=1800万円
なので15年間です。
40歳から始めれば55歳で1800万円に到達します。
その後は60歳まで5年間、追加投資せず運用だけを続けます。
その結果、投資元本はどちらも1800万円ですが、今回の条件では60歳時点で、
毎月8万円:約3030万円
毎月10万円:約3230万円
となります。
同じ1800万円でも差が生まれる理由のひとつが、投資するタイミングの違いです。
毎月10万円のほうが早く資金を市場へ投入するため、それぞれの資金が運用される平均的な期間も長くなります。
ただし、
「10万円積み立てたほうが絶対に得」
という意味ではありません。
実際の株式市場は毎年5%ずつ一定に上昇するわけではなく、投資した直後に暴落する可能性もあります。
そして何より、40代は住宅ローンや教育費など家計の負担が大きくなりやすい年代です。
無理をして10万円を積み立てるより、家計に余裕を残しながら3万円、5万円を長く続けることのほうが大切な場合もあります。
オルカンだけで老後資金を準備しても大丈夫?
ここで考えたいのが、
「老後資金は全部オルカンでいいの?」
という問題です。
40代で老後まで20年あるなら、一時的に暴落しても回復を待つ時間があります。
しかし、60歳から取り崩す予定なのに59歳で40%の暴落が起きたらどうでしょうか。
仮に3000万円まで増えていたオルカンなら、
3000万円 → 1800万円
まで減る可能性があります。
そこで生活費が必要になり、オルカンを売却すると、価格が下がった状態で資産を取り崩すことになります。
その後市場が回復しても、すでに売却した分は回復の恩恵を受けられません。
つまり、
「オルカンで老後資金を作る」
ことと、
「老後資金をすべてオルカンで持ち続ける」
ことは分けて考える必要があります。
老後直前の暴落に備えて現金も確保する
老後資金としてオルカンを利用するときに注意したいのが、取り崩し直前の暴落です。
例えば老後に年金だけでは足りず、投資資産から毎月20万円を取り崩すとします。
1年間では、
20万円 × 12か月=240万円
です。
もし3年分を現金で確保するなら、
240万円 × 3年間=720万円
となります。
大きな暴落が発生した場合でも、この720万円から生活費を出せれば、価格が大きく下がったオルカンをすぐに売却せずに済む可能性があります。
もちろん「3年分あれば正解」という意味ではありません。
年金収入や退職金、毎月の生活費、その他の資産によって必要な現金額は変わります。
大切なのは、老後に必要なお金まで株式100%で持たないことです。
↓オルカンは長期投資に向いていますが、暴落から回復するまで数年かかるケースもあります。過去の世界株式の暴落と回復期間については、こちらの記事で詳しくまとめています。↓
老後になったらオルカンを全部売る必要はない
反対に、60歳や65歳になった瞬間にオルカンをすべて売却する必要もありません。
老後は長期間続きます。
例えば65歳から90歳までなら25年間です。
そこで、
数年以内に使うお金 → 現金
当面使わないお金 → オルカンなどで運用
というように分ける方法があります。
必要な生活費だけ少しずつ取り崩し、残った資産は運用を継続する考え方です。
すべて現金にしてしまうと、インフレによってお金の実質的な価値が低下する可能性もあります。
一方で株式の割合が高すぎれば、老後も暴落によって大きく資産が減ります。
そのため老後は、
「投資するか、現金にするか」の二択ではなく、両方を組み合わせる
という考え方が重要になります。
↓老後にオルカンをどのように売却していけばいいのか迷う方は、取り崩し方を詳しく解説したこちらの記事も参考にしてください。↓【公開予定】
オルカンを老後資金にするメリット・デメリット
オルカンを老後資金として活用する場合の特徴を整理してみましょう。

オルカンには老後資金づくりに向いた特徴が多くあります。
ただし、預金のように元本が保証されている商品ではありません。
資産形成期には「増やす」ことを重視し、老後が近づいたら「守る」ことも考える。
この切り替えが重要です。
40代なら「増やす時期」と「守る時期」を考えておこう
40代から老後資金を準備する場合でも、まだ10年~20年以上の運用期間を確保できるケースがあります。

例えば、
40代~50代前半
→ オルカンなどを利用して長期的な資産形成
50代後半~
→ 数年以内に使う予定のお金を徐々に現金へ
老後
→ 現金と投資資産を組み合わせながら取り崩す
という考え方もできます。
もちろん、年齢だけで一律に決める必要はありません。
「何歳から取り崩すのか」
「年金はいくら受け取れるのか」
「毎月いくら不足するのか」
「退職金はいくらあるのか」
によって必要な現金額は変わります。
だからこそ、老後直前になって初めて考えるのではなく、資産形成をしている段階から出口までイメージしておくことが大切です。
まとめ|オルカンは老後資金を「作る」選択肢として活用しやすい
オルカンは世界中の株式へ分散投資でき、長期・積立投資を実践しやすいため、老後資金づくりの選択肢として活用しやすい投資信託です。
新NISAを利用すれば、1人あたり1800万円の非課税保有限度額を活用できます。
今回の40歳から60歳まで、年利5%という条件では、
毎月3万円 → 元本720万円 → 約1230万円
毎月5万円 → 元本1200万円 → 約2055万円
毎月8万円 → 元本1800万円 → 約3030万円
毎月10万円 → 元本1800万円 → 約3230万円
というシミュレーションになりました。
8万円と10万円については、投資元本が1800万円に到達した時点で積立を終了し、その後は60歳まで運用だけを続けています。
つまり、NISAでは1800万円に到達したら終わりではありません。
非課税で保有しながら、その後も長期運用を続けることができます。
ただし、老後資金をすべてオルカンにする必要もありません。
老後が近づいたら、
① 数年以内に使う生活費を現金で確保する
② 残りの資産は必要に応じて運用を続ける
③ 一度に全部売らず少しずつ取り崩す
といった方法も考えられます。
40代からの老後資金づくりでは、「1800万円をできるだけ早く埋めること」だけを目標にする必要はありません。
住宅費や教育費、日々の生活とのバランスを取りながら、無理なく積立を続けることが重要です。
そして、
「いくら増やすか」だけでなく、「老後にどう使うか」まで考えておく。
そこまで準備できれば、オルカンと新NISAをより老後資金づくりに活用しやすくなるでしょう。
※本記事のシミュレーションは年利5%で一定に運用できたと仮定した概算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資信託には元本割れの可能性があります。

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