オルカンの出口戦略はどうする?老後の取り崩し方と4%ルールを解説

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)を長期間積み立てていると、いつか考えなければならないのが「出口戦略」です。

「老後になったら全部売ったほうがいい?」

「毎月いくらずつ取り崩せばいい?」

「暴落したときも売り続けて大丈夫?」

積立を始めるときは「何を買うか」に目が向きがちですが、実際に資産を使う段階では「どう売るか」も非常に重要です。

せっかく長期間かけて資産を作っても、取り崩し方によっては想定より早く資産が減ってしまう可能性があります。

結論からいうと、オルカンの出口戦略では、

一度に全部売却するのではなく、必要な分だけ取り崩しながら残った資産の運用を続ける

という方法が有力な選択肢になります。

この記事では、オルカンの代表的な取り崩し方法や4%ルール、暴落時の対応など、老後に向けて知っておきたい出口戦略を解説します。

目次

オルカンは「買い方」だけでなく「売り方」も重要

資産形成中は、

「毎月いくら積み立てる?」

「オルカンとS&P500のどちらにする?」

「新NISAをどこまで使う?」

といった「買うこと」を考える機会が多くなります。

しかし、資産形成には最終的に使う段階がやってきます。

例えば40歳からオルカンを積み立て、60歳で3000万円になったとしましょう。

60歳になった瞬間に3000万円すべてを売却する方法もありますが、老後はそこから20年、30年と続く可能性があります。

すぐに使わない資金まで現金化すると、その後の運用による資産成長を期待できなくなります。

そのため、

「積立終了=全額売却」ではない

ということを覚えておきましょう。

積立を終了した後も保有を続け、必要になった分だけ売却していくことができます。

↓そもそもオルカンを老後資金として活用するメリットや、40代からの積立シミュレーションについては、こちらの記事で詳しく解説しています。↓

オルカンの出口戦略は大きく3つ

オルカンを取り崩す方法には、大きく分けて次の3つがあります。

それぞれ詳しく見てみましょう。

① 一括売却|オルカンをすべて現金にする

最もシンプルなのが、オルカンを一度にすべて売却する方法です。

例えば60歳で3000万円になっていれば、3000万円分を売却して現金化します。

住宅購入やリフォームなど、まとまった資金が必要な場合には選択肢になるでしょう。

一方、老後の生活費として使うのであれば、必ずしも全額を一度に売却する必要はありません。

仮に60歳から90歳まで30年間あるとすれば、60歳時点で使わない資金も多くあります。

その資金まで現金化してしまえば、その後の株式市場の成長を取り込めなくなります。

そのため老後の生活費を目的とするなら、一括売却より少しずつ取り崩す方法を検討する余地があります。

② 定額取り崩し|毎月決まった金額を売る

分かりやすい方法が「定額取り崩し」です。

例えばオルカンが3000万円あり、

毎月10万円

ずつ取り崩すとします。

年間では、

10万円×12か月=120万円

です。

生活費として毎月決まった金額が入ってくるため、家計管理がしやすいのがメリットです。

年金が月20万円、生活費が月30万円なら、

不足する10万円をオルカンから取り崩す

といった使い方もできます。

ただし注意したいのが暴落です。

3000万円が暴落によって2000万円になったとしても、毎月10万円を取り崩せば売却を続けることになります。

価格が低いときほど同じ10万円を作るために多くの口数を売る必要があるため、その後市場が回復しても資産が戻りにくくなる可能性があります。

③ 定率取り崩し|資産の一定割合を売る

もうひとつが「定率取り崩し」です。

例えば毎年、年初の資産額の4%を取り崩すとします。

3000万円なら、

3000万円×4%=120万円

です。

翌年に資産が3200万円になれば、

3200万円×4%=128万円

一方、暴落して2400万円になれば、

2400万円×4%=96万円

となります。

資産が減れば取り崩す金額も減るため、定額取り崩しと比べて資産残高に合わせて調整しやすいのが特徴です。

ただし、受け取れる金額が毎年変わります。

生活費をすべて定率取り崩しに頼ると、暴落した年に使えるお金が少なくなる可能性があります。

「4%ルール」なら資産は長持ちする?

出口戦略を調べていると、「4%ルール」という言葉を見かけることがあります。

これは老後の取り崩し方法を考える際によく知られている考え方のひとつです。

例えば資産3000万円の4%なら、

3000万円×4%=年間120万円

となります。

月換算すると約10万円です。

資産5000万円なら、

5000万円×4%=年間200万円

で、月約16万7000円になります。

ただし注意したいのは、オルカンなら毎年4%取り崩せば絶対に資産がなくならない」というルールではないことです。

一般に知られる4%ルールは、米国の過去の株式・債券データなどを基に研究された考え方で、オルカン100%の運用にそのまま当てはめて将来を保証するものではありません。

市場環境や取り崩し期間、資産配分などによって結果は変わります。

そのため4%は絶対的な正解ではなく、取り崩し額を考えるためのひとつの目安として捉えるのがよいでしょう。

出口戦略で特に怖いのは「老後直後の暴落」

オルカンの出口戦略で注意したいのが、取り崩し開始直後の暴落です。

例えば60歳時点で3000万円あったとします。

その直後に40%下落すると、

3000万円 → 1800万円

です。

まだ積立中なら、安くなったオルカンを買い続けながら回復を待つこともできます。

しかし老後は逆です。

生活費を作るために、価格が下落したオルカンを「売る」可能性があります。

暴落中に多くの資産を売ってしまうと、その後相場が回復しても、売却した分は値上がりの恩恵を受けられません。

これを避けるためにも、取り崩し開始時にオルカンしか持っていない状態を避けるという考え方があります。

↓オルカンが暴落した場合、どのくらいの期間で回復する可能性があるのでしょうか。過去の世界株式の暴落と回復期間について、こちらの記事で詳しく紹介しています。↓

数年分の生活費を現金で持つ方法も

暴落時の対策として考えられるのが、生活費の一部を現金で確保しておく方法です。

例えば年金とは別に年間120万円必要なら、

1年分=120万円

3年分=360万円

5年分=600万円

となります。

仮に3年分の360万円を現金で確保していれば、暴落したときにすぐオルカンを売却せず、現金から不足分を補うこともできます。

その間に相場が回復すれば、安値で大量に売却するリスクを抑えられる可能性があります。

もちろん「現金は必ず3年分必要」というわけではありません。

年金や退職金、生活費、その他の資産によって適切な金額は変わります。

現金を多く持てば暴落への安心感は高まりますが、その分、株式による成長を期待できる資金は少なくなります。

自分にとって安心できるバランスを考えることが重要です。

暴落したら取り崩しを止めるのも選択肢

出口戦略は、最初に決めた方法を30年間ずっと続けなければならないわけではありません。

例えば通常時は年間120万円取り崩していても、大きな暴落が起きた年には、

年間120万円 → 80万円

へ減らしたり、一時的にオルカンの売却を止めて現金から生活したりする方法も考えられます。

旅行や趣味など調整できる支出を一時的に減らすことも選択肢です。

老後の資産運用では、

「毎年必ず同じ金額を取り崩す」

よりも、

「市場と資産残高に合わせて柔軟に調整する」

という考え方も重要になります。

↓暴落時の対応は、取り崩し期だけでなく資産形成中にも重要です。積立中に暴落した場合の考え方はこちらの記事で解説しています。↓

新NISAなら売却後の非課税保有限度額はどうなる?

新NISAでオルカンを運用している場合は、売却後の非課税保有限度額についても知っておきたいところです。

新NISAでは商品を売却すると、売却した商品の簿価分の非課税保有限度額が翌年以降に再利用可能になります。

例えば100万円で購入したオルカンが150万円まで増え、それをすべて売却した場合、翌年以降に再利用できる非課税保有限度額は150万円ではなく、購入時の金額である100万円分です。

ただし、枠が復活したからといって年間投資枠を超えて投資できるわけではありません。

老後に取り崩しながら再び投資する予定がある場合には、この仕組みも覚えておくとよいでしょう。

オルカンの出口戦略は「定額+現金」も分かりやすい

どの取り崩し方法が正解なのか迷う人も多いでしょう。

シンプルさを重視するなら、

① 年金で足りない金額を計算する

② 数年分の不足額を現金で確保する

③ 通常時はオルカンから一定額を取り崩す

④ 大きな暴落時は現金を優先して使う

⑤ 相場回復後に現金の割合を調整する

という方法も考えられます。

例えば、

年金:月20万円

生活費:月30万円

なら不足額は月10万円です。

年間では120万円なので、3年分なら360万円。

この360万円を現金として確保し、残った資産をオルカンで運用するという考え方です。

これなら「生活費」と「長期間運用するお金」の役割を分けやすくなります。

いつから出口戦略を考えればいい?

出口戦略は、老後になってから考える必要はありません。

むしろ、資産を使い始める数年前から考えておくことが重要です。

例えば60歳から取り崩す予定なら、50代後半から、

「年間いくら必要?」

「年金はいくら?」

「退職金はいくら?」

「何年分を現金にする?」

といったことを確認しておきます。

そうすれば60歳直前に暴落しても、慌ててオルカンを大量に売却する必要性を減らせます。

出口戦略とは「何歳になったら全部売るか」を決めることではありません。

使う時期に合わせて、投資資産と現金をどう配分するかを考えることが大切です。

↓出口戦略を考え始めるのは、老後直前だけとは限りません。オルカンが1000万円まで増えた後に「積立を続ける・やめる・取り崩す」のどれを選ぶかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。↓

まとめ|オルカンは「取り崩しながら運用する」という選択肢がある

オルカンを長期間積み立てて資産を作ったからといって、老後になった瞬間にすべて売却する必要はありません。

出口戦略には、

一括売却

定額取り崩し

定率取り崩し

などの方法があります。

老後の生活費として利用するのであれば、必要な分だけ少しずつ取り崩し、残った資産の運用を続ける方法も有力な選択肢です。

ただし、最も注意したいのが取り崩し開始直後の暴落です。

そのため、

① 老後に必要な生活費を把握する

② 年金で不足する金額を計算する

③ 数年分の不足額を現金で確保する

④ 残ったオルカンは運用を続ける

⑤ 暴落時には取り崩し額を調整する

といった出口戦略を考えておくとよいでしょう。

資産形成では「いくらまで増やせるか」に目が向きがちです。

しかし本来、お金は使うためにあります。

オルカンをいくら貯めるかだけではなく、いつ・いくら・どのように使っていくのか。

ここまで考えておくことで、長年積み立ててきた資産を老後の生活に活かしやすくなります。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資信託には元本割れの可能性があります。

↓出口戦略を考える前に「オルカンを長期間運用するとどのくらいの資産になるのか」を確認したい方は、こちらのシミュレーションも参考にしてください。↓

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この記事を書いた人

40代会社員・3児の父。家族の将来を考え、新NISA・家づくり・子育てを実践中。実体験をもとに、暮らしに役立つ情報をわかりやすく発信しています。

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