オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)へ長期投資していると、気になるのが「暴落したら何年で元に戻るのか?」ではないでしょうか。
「30%下落したら何年かかる?」
「リーマンショック級の暴落でも回復する?」
「老後直前に暴落したらどうすればいい?」
特に資産額が500万円、1000万円と大きくなってくると、暴落によって減る金額も大きくなります。
結論からいうと、オルカンが暴落から何年で回復するかを事前に予測することはできません。
過去の株式市場を見ると、半年程度で元の水準に戻った暴落もあれば、5年以上かかったケースもあります。
さらに1929年の世界恐慌のように、株価だけで見れば元の高値を取り戻すまで非常に長い期間を要したケースもありました。
だからこそオルカンへの長期投資では、
「何年で回復するか」を当てることより、「回復するまで待てる状態」を作ること
が重要です。
この記事では、世界恐慌からコロナショックまでの代表的な暴落を振り返りながら、オルカン投資家が暴落とどう付き合えばいいのか考えていきます。
オルカンも30%・50%下落する可能性はある
オルカンは世界中の株式へ分散投資できるため、
「世界分散しているから大暴落には強いのでは?」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、オルカンも株式を中心とした投資信託です。
世界的な金融危機が発生すれば、アメリカ、日本、ヨーロッパ、新興国などが同時に下落する可能性があります。
オルカンが連動対象としているMSCI ACWIも、世界金融危機では非常に大きな下落を経験しています。
例えば1000万円をオルカンで運用している場合を考えてみましょう。
| 下落率 | 暴落後の資産額 | 減少額 |
|---|---|---|
| 10% | 900万円 | ▲100万円 |
| 20% | 800万円 | ▲200万円 |
| 30% | 700万円 | ▲300万円 |
| 40% | 600万円 | ▲400万円 |
| 50% | 500万円 | ▲500万円 |
30%下落するだけでも、1000万円の資産なら300万円減ります。
50%なら500万円です。
100万円を運用していた頃より、資産が増えた後のほうが暴落時の精神的な負担は大きくなるでしょう。
そのため資産形成が進んできた人ほど、「暴落したときに自分がどう行動するか」を事前に考えておくことが重要になります。
↓オルカンが暴落したときの考え方や、やってはいけない行動については、こちらの記事でも詳しく解説しています。↓

暴落から元に戻るには下落率以上の上昇が必要
暴落からの回復を考えるとき、知っておきたいことがあります。
それは、30%下落した後に30%上昇しても元には戻らないということです。
例えば1000万円が30%下落すると、
1000万円 → 700万円
になります。
そこから30%上昇しても、
700万円 × 1.3 = 910万円
です。
1000万円へ戻るためには約43%上昇する必要があります。
| 下落率 | 元に戻るために必要な上昇率 |
|---|---|
| ▲10% | 約11% |
| ▲20% | 25% |
| ▲30% | 約43% |
| ▲40% | 約67% |
| ▲50% | 100% |
50%下落した場合には、そこから100%上昇、つまり資産が2倍になって初めて元の水準へ戻ります。
暴落が深くなるほど回復に必要な上昇率が大きくなるため、回復まで長い時間が必要になる可能性があります。
過去の世界株式は暴落と回復を繰り返してきた
では実際に、過去の大きな暴落では元の水準へ戻るまでどのくらいかかったのでしょうか。
株式市場はこれまで、世界恐慌やオイルショック、ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックなど、何度も大きな下落を経験してきました。
代表的な暴落について、おおよその下落幅と回復までの期間を整理すると次のようになります。

こうして比較すると、暴落からの回復期間には非常に大きな差があることが分かります。
世界恐慌では回復まで非常に長い時間がかかった
1929年に始まった世界恐慌では、代表的な米国株価指数が高値から約86%下落しました。
株価水準だけで見ると、暴落前の高値を取り戻すまで非常に長い時間が必要になりました。
ただし、
「オルカンも暴落したら25年間戻らない」
という意味ではありません。
当時と現在では金融制度や市場環境が大きく異なります。
さらにオルカンは米国だけでなく世界中の株式へ分散投資しています。
世界恐慌は、株式市場では極端なケースでは非常に長い低迷も起こり得るという歴史上の事例として考えるのがよいでしょう。
リーマンショック級なら回復に数年かかる可能性も
オルカン投資家にとって、より参考になるのが2007~2009年の世界金融危機です。
いわゆるリーマンショックでは金融不安が世界中へ広がり、先進国だけでなく新興国を含む株式市場も大きく下落しました。
世界株式の代表的な指数であるMSCI ACWIでも、ピークから底まで非常に大きな下落を経験しています。
ここから分かるのは、
世界中へ分散投資していても、世界全体が暴落すれば大きく下がる
ということです。
分散投資は特定の国や企業へ集中するリスクを抑えることには役立ちます。
しかし、世界的な株価暴落そのものをなくしてくれるわけではありません。
コロナショックは非常に速く回復した
一方、2020年のコロナショックは対照的でした。
新型コロナウイルスの感染拡大によって世界の株式市場が急落しましたが、その後は各国の金融・財政政策などもあり、株価は急速に反発しました。
つまり、
暴落が大きい=必ず回復に何年もかかる
とは限りません。
問題なのは、暴落している最中には、
「半年で戻るのか」
「5年かかるのか」
「さらに下落するのか」
を誰にも正確には判断できないことです。
過去の暴落を見ても、「30%下落なら○年で回復する」という法則はないことが分かります。
積立中なら暴落は悪いことばかりではない
暴落すると資産評価額は減ります。
しかし、10年・20年先を目指して積立投資を続けている人にとっては、悪いことばかりではありません。
基準価額が下がれば、同じ積立金額でも多くの口数を購入できるからです。

例えば毎月5万円積み立てている場合、
価格が高いとき
→ 少ない口数を購入
暴落して価格が安いとき
→ 多くの口数を購入
となります。
その後市場が回復すれば、安い時期に購入した分も資産の成長につながる可能性があります。
だからといって、暴落した瞬間に大金を投入する必要はありません。
どこが底なのかは誰にも分からないからです。
20%下落して「今がチャンス」と買った後、さらに20%下落する可能性もあります。
長期積立では、暴落を予想して売買するより、無理のない金額で淡々と積立を続けるほうが実践しやすいでしょう。
↓暴落すると「安くなった今こそ買い増したほうがいい?」と考える人もいるでしょう。暴落時の買い増しについては、こちらの記事で詳しく解説しています。↓

1000万円が700万円になっても待てる?
暴落への耐性を考えるなら、割合ではなく実際の金額で考えてみるのがおすすめです。
例えばオルカン1000万円が30%下落すると、
1000万円 → 700万円
になります。
300万円の含み損です。
この状態でも売らずに運用を続けられるでしょうか。
老後まで20年あるなら、回復を待つ時間は十分にあります。
一方、2年後に住宅購入などで1000万円を使う予定なら話は変わります。
暴落から回復するまで待てない可能性があるからです。
つまり、暴落対策で最も重要なのは、
「暴落しない投資先を探すこと」ではなく、「暴落しても売らなくていいお金で投資すること」
です。
生活防衛資金や数年以内に必要になる教育費・住宅費までオルカンへ投資してしまうと、最も売りたくない暴落時に売却せざるを得なくなる可能性があります。
↓オルカンが1000万円まで増えた後は、「さらに積立を続けるのか」「一度立ち止まるのか」を考えるタイミングでもあります。↓
使う時期が近づいたら「回復を待つ」だけでは危険
長期投資なら暴落から回復するまで待つことができます。
しかし、資産を使う時期が近づいたら注意が必要です。

例えば60歳から老後資金を取り崩す予定なのに、59歳で40%の暴落が起きたとします。
そこで生活費のためにオルカンを売却すると、安い価格で多くの口数を手放すことになります。
その後市場が回復しても、売却した分は回復の恩恵を受けられません。
そのため資産を使う時期が近づいたら、
- 数年以内に使うお金を現金で確保する
- 一度にすべて売却せず段階的に現金化する
- 株式以外の資産も組み合わせる
- 生活費数年分を別に確保する
といった方法を検討することも重要です。
20年後に使う1000万円と、来年使う1000万円では取れるリスクがまったく違うからです。
↓資産形成では「どう増やすか」だけでなく、「いつ・どのように使うか」まで考えておくことが大切です。↓【公開予定】
オルカンは暴落から何年で回復する?への答え
ここまでの内容を整理すると、
「オルカンは暴落から何年で回復する?」に決まった答えはありません。
過去の株式市場では、
半年~1年程度で回復した暴落
もあれば、
5年以上かかった暴落
もありました。
さらに歴史をさかのぼれば、非常に長い低迷を経験したケースもあります。
そのため、
「暴落しても5年待てば絶対に大丈夫」
と考えるのは危険です。
一方で、世界の株式市場はこれまで何度も大きな危機を経験しながら長期的には成長してきました。
オルカンへ長期投資するなら、
「何年で回復するか」を予想するのではなく、「回復まで長期間かかっても保有を続けられるか」を考える
ことが重要です。
まとめ|暴落からの回復を待てる資金計画を作ろう
オルカンに投資していても、大きな暴落を完全に避けることはできません。
過去の株式市場を見ると、世界恐慌、オイルショック、ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックなど、何度も大きな下落が起きています。
そして回復期間も、半年程度~数年以上と大きく異なります。
つまり、次の暴落が何年で回復するかを事前に知ることはできません。
だからこそ大切なのは、
① 数年以内に使うお金を投資しすぎない
② 生活防衛資金を確保する
③ 暴落しても続けられる積立額にする
④ 資産を使う時期が近づいたら現金も確保する
という準備です。
「暴落はいつ来る?」
「何%下がる?」
「何年で回復する?」
を予想し続けても、正確な答えは分かりません。
それよりも、
1000万円が700万円になっても売らずに待てるか?
と考えてみるほうが、自分のリスク許容度を判断する材料になります。
オルカンへの長期投資では、暴落しないことを期待するのではなく、暴落が起きても回復を待てる状態を作っておくことが大切です。
※本記事の下落率・回復期間は過去の代表的な株価指数などを参考にした概算です。指数、配当、為替、起点によって数値は異なります。また、過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません。投資信託には元本割れの可能性があります。
↓暴落を含めて長期運用した場合、オルカンの資産が将来どのくらいになる可能性があるのかも確認しておきましょう。↓


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