「オルカンなら世界中に分散されているから、暴落しても大丈夫?」
「もし30%、40%下がったらどうすればいい?」
「新NISAで積み立てている途中に暴落したら売ったほうがいい?」
オルカンに投資していると、一度はこんな不安を感じるのではないでしょうか。
オルカンは世界中の株式に幅広く分散投資できるため、1つの会社や1つの国だけに投資するよりもリスクを分散できます。
しかし、世界中に分散しているから暴落しないわけではありません。
世界的な金融危機などが起きれば、オルカンも大きく値下がりする可能性があります。
特に新NISAで資産が大きくなってくると、同じ下落率でも金額としては大きく感じるようになります。
100万円が30%下落すれば30万円のマイナスですが、1,000万円なら300万円です。
実際にこれだけ資産が減れば、
「これ以上下がる前に売ったほうがいいのでは?」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、長期投資では暴落したときにどう行動するかがとても重要です。
この記事では、オルカンが暴落するとどれくらい資産が減る可能性があるのか、過去の世界株式の下落を参考にしながら、暴落時にやってはいけないことや積立投資を続ける考え方まで初心者向けに解説します。
オルカンも暴落することはある?
結論からいうと、オルカンも暴落する可能性があります。
オルカンの正式名称は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」。
日本だけでなく、アメリカやヨーロッパ、新興国など世界中の株式に幅広く投資する投資信託です。
そのため、「世界中に分散されているなら安全なのでは?」と思うかもしれません。
確かに、ある1社の株式だけを保有したり、特定の国だけに集中投資したりする場合と比べれば、幅広く分散されています。
しかし、オルカンの主な投資対象は株式です。
世界的な金融危機や景気後退などによって多くの国の株価が同時に下落すれば、オルカンの基準価額も大きく下がる可能性があります。
分散投資=値下がりしない、ではない
ここは初心者が勘違いしやすいポイントです。
分散投資の目的は、
「絶対に損をしないようにすること」ではなく、「特定の企業や国などに集中するリスクを抑えること」
と考えるとわかりやすいでしょう。
たとえば、ある国の経済が低迷しても、別の国が成長すればその影響をある程度補える可能性があります。
一方で、世界中の株式市場が一斉に下落するような局面では、世界分散していても値下がりを完全に避けることはできません。
つまり、
オルカン=暴落しない投資
ではなく、
オルカン=世界中に分散しながら長期的な成長を期待する投資
と考えておくことが大切です。
↓オルカンは世界中に分散投資できますが、「本当にオルカン1本だけで大丈夫?」と不安に感じる方もいるでしょう。オルカン1本でどこまで分散できるのかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。↓

暴落すると資産はどれくらい減る?
では実際に暴落が起きた場合、資産はどれくらい減るのでしょうか。
たとえばオルカンを1,000万円保有しているとします。
仮に基準価額が下落すると、
10%下落 → 約900万円
20%下落 → 約800万円
30%下落 → 約700万円
40%下落 → 約600万円
となります。
30%の下落なら、資産は一時的に約300万円減ることになります。
数字だけ見るとかなり大きいですよね。
さらに長期間投資を続けて2,000万円まで資産が増えていた場合、30%下落すると、
2,000万円 → 約1,400万円
となり、評価額では約600万円減ります。

資産が増えるほど暴落の金額も大きく見える
新NISAを始めたばかりの頃は、暴落しても金額としての下落はそれほど大きくないかもしれません。
しかし、10年、20年と積立を続けて資産が大きくなると状況は変わります。
たとえば同じ30%下落でも、
100万円なら約30万円
500万円なら約150万円
1,000万円なら約300万円
3,000万円なら約900万円
と、資産額によって減少する金額は大きくなります。
ここで大切なのは、長期投資をするなら、こうした下落が起こる可能性を最初から想定しておくことです。
「オルカンなら安心だからほとんど下がらないだろう」
と思って投資を始めると、実際に暴落したときに想像以上のショックを受けてしまうかもしれません。
反対に、
「長期投資をしていれば途中で大きく下がることもある」
と理解していれば、暴落したときにも冷静に判断しやすくなります。
そしてもうひとつ重要なのが、暴落して評価額が下がった時点では、まだ損失が確定したわけではないということです。
では、過去の世界株式は実際にどのような暴落を経験し、その後どうなってきたのでしょうか。
次は、過去の暴落を振り返りながら、「暴落したら売るべきなのか」「積立を続けるべきなのか」を考えていきます。
↓このように、オルカンでも一時的に元本割れする可能性はあります。「新NISAなら元本割れしないの?」という疑問については、こちらの記事でリスクも含めて詳しく解説しています。↓

過去の暴落では世界株式はどうなった?
「オルカンが暴落したら、そのまま戻らないのでは?」
と不安になる人もいるでしょう。
将来の株価がどうなるかは誰にもわかりません。
ただ、これまでの世界の株式市場を振り返ると、何度も大きな下落を経験してきました。
代表的なのが、2008年のリーマンショックや2020年のコロナショックです。
こうした世界的な危機では多くの国の株価が同時に下落し、世界株式も大きな影響を受けました。
しかし、その後は経済活動の回復や企業の成長などを背景に、長期的には株式市場が再び成長してきた歴史があります。
もちろん、
「過去に回復したから、次の暴落でも必ず同じように回復する」
とは言い切れません。
それでも、長期投資では暴落そのものを避けようとするより、暴落が起こる可能性も含めて投資を続けられる準備をしておくことが大切です。
暴落がいつ起きるかは誰にもわからない
「暴落する直前に売って、底値で買い戻せばいいのでは?」
と思うかもしれません。
理論上、それができれば理想的です。
しかし実際には、
「ここが暴落の始まり」
「ここが一番安いところ」
「ここから株価が回復する」
というタイミングを正確に判断するのは非常に難しいものです。
株価がさらに下がると思って売却した直後に急反発することもあります。
だからこそ、オルカンを使った長期投資では、相場を予想して売買を繰り返すよりも、長期的な目線で保有を続けるという考え方が基本になります。
暴落したらオルカンを売ったほうがいい?
暴落時に最も注意したいのが、
「怖くなって全部売ってしまうこと」
です。
たとえば1,000万円の資産が暴落によって700万円になったとします。
300万円も減れば、
「600万円になる前に売ろう」
「これ以上損をしたくない」
と思うのは自然なことです。
しかし、700万円の時点で売却すると、その後株価が回復してもその上昇の恩恵を受けられません。
さらに難しいのが、一度売却したあとにいつ買い戻すかです。
株価が上がり始めても、
「また下がるかもしれない」
と思ってなかなか投資できず、結果として回復局面を逃してしまう可能性があります。
↓とはいえ、「じゃあ新NISAはいつ売ればいいの?」と迷う方もいるでしょう。暴落時だけでなく、利益が出ているときも含めた新NISAの売却タイミングについてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓

「暴落したから売る」ではなく投資目的を確認する
暴落したときは、株価だけを見るのではなく、
「なぜこのお金を投資しているのか」
をもう一度確認してみましょう。
たとえば20年後の老後資金として投資していて、今すぐ使う予定がないのであれば、短期的な値下がりだけを理由に売却する必要があるのか慎重に考えることができます。
一方で、数年以内に住宅購入や教育費などで使う予定のお金まで投資している場合は話が違います。
必要なタイミングで暴落してしまうと、安い価格で売却せざるを得なくなる可能性があります。
だからこそ、
生活防衛資金や近いうちに使うお金は投資とは分けておく
ことが重要です。
積立中の暴落は悪いことだけではない

暴落すると保有している資産の評価額は下がります。
しかし、新NISAで毎月積立投資をしている人にとっては、悪いことだけとは限りません。
株価が下がれば、同じ積立金額でもより多くの口数を購入できるからです。
たとえば毎月5万円を積み立てている場合、基準価額が高いときには購入できる口数が少なくなります。
一方、暴落によって基準価額が下がれば、同じ5万円でもより多く購入できます。
そして、その後株価が回復すれば、安いときに購入した分も値上がりする可能性があります。
これが、積立投資の大きな特徴のひとつです。
↓落時にも積立を続けるメリットがわかると、「最初から一括投資するのと積立投資ではどちらがいい?」という疑問も出てきます。それぞれの特徴や向いている人はこちらの記事で比較しています。↓

暴落時もいつも通り積み立てる
暴落すると、
「一度積立を止めようかな」
と思うかもしれません。
しかし長期の積立投資では、株価が高いときも安いときも一定額を積み立てることで、購入時期を分散できます。
株価が下がったから積立をやめ、上がってから再開すると、
安いときには買わず、高くなってから買う
という結果になってしまう可能性もあります。
そのため、生活に必要なお金をきちんと確保できていて、長期投資という目的も変わっていないのであれば、暴落時も無理のない範囲で積立を続けるという選択肢があります。
もちろん、暴落したからといって無理に投資額を増やす必要もありません。
重要なのは、
相場に合わせて感情的に投資方法を変えないこと
です。
では実際に暴落が起きたとき、何を確認し、どんな行動を避ければいいのでしょうか。
最後に、オルカン暴落時にやってはいけないことと、暴落に備えて今からできる対策を整理していきます。
オルカン暴落時にやってはいけない3つのこと
オルカンが大きく下落すると、資産が減っていく画面を見て不安になるかもしれません。
しかし、そんなときほど感情だけで判断しないことが大切です。
ここでは、長期投資を前提とした場合に注意したい3つの行動を紹介します。

① 怖くなってすべて売却する
まず注意したいのが、暴落したからという理由だけでオルカンをすべて売却してしまうことです。
暴落時には、
「もっと下がるかもしれない」
「今のうちに売ったほうがいいのでは?」
という気持ちになりやすいものです。
しかし、さきほど説明したように、一度売却すると今度は買い戻すタイミングを判断しなければなりません。
長期投資の目的や自分の資金状況が変わっていないのであれば、「値下がりした」という理由だけで売却する必要があるのかを一度考えてみましょう。
② 積立をすぐにやめる
暴落すると、
「これ以上損をしたくないから積立を止めよう」
と思うこともあります。
しかし積立投資では、価格が下がっているときほど同じ金額で多くの口数を購入できます。
暴落時に積立を止めて、株価が回復してから再開すると、安く購入できる期間を逃してしまう可能性があります。
家計に無理がなく、長期投資を続けるという方針が変わっていないのであれば、相場の値動きだけを理由に積立を止める必要はないでしょう。
③ 暴落したからと無理に追加投資する
反対に、
「暴落はチャンスだから、今ある現金を全部投資しよう」
と考えるのも注意が必要です。
今が本当の底値なのかは誰にもわかりません。
20%下落したあと、さらに20%下落する可能性もあります。
生活防衛資金まで投資してしまうと、急な出費が必要になったときに困ってしまいます。
暴落時でも、自分で決めた投資金額や家計とのバランスを守ることが大切です。
暴落に備えて今からできる3つのこと
暴落が起きてから慌てるよりも、相場が落ち着いているときに準備しておくほうが冷静に対応できます。
① 生活防衛資金を確保しておく
まず大切なのが、投資とは別に現金を確保しておくことです。
病気や失業、家電の故障など、生活していると突然まとまったお金が必要になることがあります。
こうしたときのためのお金までオルカンに投資していると、暴落中でも売却しなければならなくなるかもしれません。
生活に必要な現金を確保したうえで、当面使う予定のない余裕資金を投資に回すことが基本です。
② 自分が耐えられる下落額を考えておく
投資を始める前に、
「もし30%下落したら、自分の資産はいくらになる?」
と計算してみるのもおすすめです。
たとえば3,000万円まで資産が増えた場合、30%下落すると約2,100万円になります。
つまり評価額では約900万円の減少です。
「900万円減っても長期保有を続けられるだろうか?」
と考えてみると、自分がどの程度のリスクを取れるのかイメージしやすくなります。
もし耐えられそうにないのであれば、投資額そのものを見直したり、現金などの比率を増やしたりする方法もあります。
③ 投資する目的と期間を決めておく
「何のために投資しているのか」を明確にしておくことも重要です。
たとえば、
老後資金として20年以上運用するのか。
10年後に使う予定のお金なのか。
数年以内に必要になるお金なのか。
目的によって取れるリスクは変わります。
20年以上先に使う予定のお金であれば、短期的な値下がりを受け入れながら長期運用するという考え方ができます。
一方、数年後に必要なお金なら、株式だけで運用することが本当に適切なのか考える必要があります。
投資期間が終わりに近づいてきたら、必要に応じて現金などへ移していくことも選択肢のひとつです。
まとめ|オルカンの暴落は「起こるもの」と考えて備えよう
オルカンは世界中の株式に分散投資できる便利な投資信託ですが、元本保証の商品ではありません。
世界的な株価下落が起これば、オルカンも大きく値下がりする可能性があります。
今回のポイントをまとめます。
✅ オルカンも暴落する可能性がある
✅ 世界分散していても、世界同時株安の影響は避けられない
✅ 暴落時に慌てて売却すると、その後の回復を逃す可能性がある
✅ 積立中の暴落では、同じ金額で多くの口数を購入できる
✅ 生活防衛資金を確保し、余裕資金で長期投資することが大切
オルカンへの長期投資で重要なのは、
「暴落を完全に避けること」ではなく、「暴落しても投資を続けられる準備をしておくこと」
だと私は考えています。
株価が上昇しているときは、
「30%くらい下がっても大丈夫」
と思えるかもしれません。
しかし実際に自分の資産が数百万円単位で減ると、感じ方は大きく変わる可能性があります。
だからこそ、暴落してから考えるのではなく、平常時から「どこまで下落しても保有を続けられるか」を考えておくことが大切です。
そして新NISAで10年、20年とオルカンを積み立てるのであれば、短期的な値動きだけに一喜一憂せず、自分の投資目的と運用期間を意識しながらコツコツ続けていきましょう。

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