「こどもNISAが始まったら、親の新NISAより優先したほうがいい?」
「教育費を準備するなら、子どものNISAを使ったほうがいい?」
「親のNISAもまだ満額使えていないけど、どうすればいい?」
2027年から、0〜17歳でもNISAのつみたて投資枠を利用できるようになります。
子どもの将来のために非課税で投資できるとなると、
「せっかくだから、こどもNISAを優先しよう」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、必ずしもこどもNISAを優先する必要はありません。
家庭によっては、
親の新NISAを優先したほうが使いやすい
ケースもあります。
大切なのは、
「どちらの非課税枠を先に埋めるか」ではなく、「何のためのお金なのか」
を考えることです。
この記事では、こどもNISAと親の新NISAの違いを比較しながら、子育て家庭ではどちらを優先すればいいのかをわかりやすく解説します。
※本記事は2026年8月時点の制度をもとにしています。
こどもNISAと親の新NISAの違い
まずは2つの制度を簡単に比較してみましょう。

こどもNISAは、子どもの将来に向けた長期の資産形成に使いやすい制度です。
一方、親の新NISAは投資できる金額が大きく、必要になったときに自由に売却できます。
つまり、
こどもNISA=子どものためのお金
親の新NISA=家計全体で使いやすいお金
という違いを意識すると分かりやすいでしょう。
↓こどもNISAの対象年齢や年間投資枠、払出しルールなどを詳しく知りたい人は、「こどもNISAとは?2027年開始の新制度をわかりやすく解説」も参考にしてください。↓

迷ったら親の新NISAを優先する考え方もある
では、どちらを優先すればいいのでしょうか。
私は、家計に十分な余裕がない場合は、
まず親の新NISAを優先する
という考え方でもいいと思います。
理由は、親のNISAのほうがお金の使い道を柔軟に決めやすいからです。
子育てをしていると、
・教育費
・住宅費
・車の購入
・家電の買い替え
・急な出費
など、さまざまなお金が必要になります。
「教育費として投資していたけれど、別の支出でお金が必要になった」
ということもあるでしょう。
親のNISAなら、売却したお金を何に使うかは基本的に自由です。
一方、0〜17歳向けNISAでは、12歳以降の親権者等による払出しには、子どものために使うことなど一定の要件があります。
そのため、
家計の余裕がまだ十分ではない家庭ほど、親名義で資産を持っておくメリットは大きい
と考えられます。
こどもNISAを優先してもいい家庭は?
もちろん、こどもNISAを優先する考え方もあります。
例えば、
生活防衛資金を十分確保している
親自身の老後資金を準備できている
教育費として長期間使わないお金がある
子どもの将来資金として明確に分けて管理したい
という家庭です。
こどもNISAなら、資産が子ども名義になるため、
「このお金は子どものためのお金」
と明確に分けて管理できます。
親のNISAに教育費と老後資金がすべて入っていると、
「このうち教育費はいくら?」
と分からなくなることもあります。
目的別に資産を管理したい家庭にとっては、こどもNISAは使いやすいでしょう。
↓こどもNISAを利用すると決めても、年間60万円の枠をすべて使う必要はありません。「こどもNISAは月いくら積み立てる?月1万・3万・5万円を比較」では、積立額ごとの18歳時点のシミュレーションを紹介しています。↓

教育費なら親のNISAでも準備できる
ここは勘違いしやすいポイントです。
教育費=こどもNISA
でなければいけないわけではありません。
親の新NISAで投資して、その資産を将来の大学費用として使うこともできます。
例えば、
親のNISAで500万円を教育費として運用
しておき、子どもが大学へ進学するときに必要な分を売却する方法です。
親名義なので、途中で家庭の状況が変わった場合にも対応しやすくなります。
そのため、
「教育費だから、とりあえずこどもNISA」
と考えるのではなく、
資産の名義を誰にするか
まで考えて決めることが重要です。
親のNISAを満額使っていないならどうする?
親の新NISAには大きな非課税枠があります。
年間では、
つみたて投資枠120万円
成長投資枠240万円
合わせて最大360万円です。
非課税保有限度額も1人1,800万円あります。
一方、こどもNISAは年間60万円、非課税保有限度額600万円です。
そのため、
親のNISAにまだ十分な空きがある家庭が、無理をしてこどもNISAまで利用する必要はありません。
例えば毎月5万円を投資できる家庭なら、
親のNISA:月5万円
という方法でも十分です。
「親3万円+子ども2万円」
のように分けることもできます。
制度の枠を最大限使うことではなく、
家計全体で無理なく投資を続けられること
を優先しましょう。
子どもが2人・3人いる家庭は特に注意
子どもが複数いる家庭では、こどもNISAを全員分使おうとすると投資額がかなり大きくなります。
年間投資枠いっぱいの月5万円を積み立てると、
子ども1人 → 月5万円
子ども2人 → 月10万円
子ども3人 → 月15万円
です。
子ども3人なら年間180万円になります。
さらに親が夫婦それぞれ新NISAで投資していれば、家族全体の投資額はさらに増えます。
ここで、
「非課税枠が余るともったいない」
と考える必要はありません。
投資を増やしすぎて現金がなくなってしまえば、急な出費が発生したときに投資商品を売却することになります。
子どもが複数いる家庭ほど、
1人あたりいくら投資するか
ではなく、
家族全体で毎月いくら投資できるか
から考えましょう。
まず生活防衛資金を優先する
親の新NISAとこどもNISAのどちらを優先するか考える前に、さらに優先したいものがあります。
それが、生活防衛資金です。

例えば急な病気やケガ、収入減少、大きな家電の故障などがあったとき、すぐ使える現金がなければ困ります。
NISAは税制上メリットのある制度ですが、
投資なので元本保証ではありません。
必要なときに株価が下落している可能性があります。
そのため、
生活防衛資金
↓
数年以内に必要な教育費など
↓
長期間使わない余裕資金を投資
という順番で考えると分かりやすいでしょう。
↓投資を始める前に、急な出費や収入減少に備える現金を確保しておくことが大切です。「生活防衛資金はいくら必要?」では、生活費3か月・6か月・1年分を目安に、必要な金額の考え方を詳しく紹介しています。↓【公開予定】
貯金・親NISA・こどもNISAの3つに分けてもいい
「親か子どものどちらか一方を選ばなければいけない」
というわけでもありません。
例えば毎月10万円を資産形成に回せるなら、
貯金:3万円
親の新NISA:5万円
こどもNISA:2万円
のように分ける方法もあります。
毎月15万円なら、
貯金:5万円
親の新NISA:7万円
こどもNISA:3万円
などでもいいでしょう。
重要なのは金額そのものではありません。
使う時期と目的によって置き場所を変えること
です。
近いうちに使うお金
→ 貯金
使い道を柔軟にしておきたい長期資金
→ 親の新NISA
子どものために長期間運用したい資金
→ こどもNISA
という考え方ができます。
↓「貯金と投資にそれぞれいくら回せばいい?」と迷う人は、「投資と貯金の割合はどれくらい?」も参考にしてください。生活防衛資金やお金を使う時期から、自分に合った割合を決める方法を紹介しています。↓【公開予定】
教育費を投資するなら「使う時期」も考える
親のNISAでもこどもNISAでも、教育費を投資で準備するなら注意したいことがあります。
それは、大学入学直前の暴落です。
例えば18歳で大学費用として300万円必要なのに、17歳のときに株価が大きく下落する可能性もあります。
そのため、子どもが小さいうちは投資を活用し、
高校生になったら必要な教育費を徐々に現金へ移す
という方法も考えられます。
15歳で一部を現金化
↓
16歳でさらに現金化
↓
17歳で大学入学に必要な金額を確保
というイメージです。
親のNISAとこどもNISAのどちらを利用する場合でも、
「いつ使うお金なのか」
を意識して運用しましょう。
↓教育費は大学入学など使う時期がある程度決まっています。「教育費は貯金と投資どっち?」では、子どもの年齢に合わせて貯金と投資を使い分ける考え方を詳しく解説しています。↓【公開予定】
わが家はどちらを優先すればいい?
最後に簡単に整理します。
親の新NISAを優先しやすい家庭
・家計にまだ大きな余裕がない
・親のNISA枠がかなり余っている
・教育費以外にも使う可能性がある
・資金の使い道を柔軟にしておきたい
・親自身の老後資金もこれから準備する
こどもNISAを利用しやすい家庭
・生活防衛資金を十分確保している
・親自身の資産形成も進んでいる
・子どものためのお金を分けて管理したい
・10年以上使わない余裕資金がある
・教育費や子どもの将来資金として長期運用したい
そして、
両方を使う
という方法もあります。
親のNISAをある程度積み立てながら、こどもNISAへ月1万円だけ積み立てる方法でも構いません。
まとめ|迷ったら「誰のため・いつ使うお金か」で決めよう
こどもNISAと親の新NISAは、どちらも運用益を非課税にできる資産形成制度です。
しかし、「こどもNISAと親のNISA、どちらがお得?」だけで決める必要はありません。
大切なのは、
誰のためのお金なのか
いつ使う予定なのか
途中で別の用途に使う可能性があるのか
です。
家計にまだ余裕がない場合は、まず生活防衛資金を確保し、使い道の自由度が高い親の新NISAから始める方法があります。
一方、
生活防衛資金がある
親自身の資産形成も進んでいる
子どものためのお金を明確に分けたい
という家庭なら、こどもNISAを活用するメリットもあります。
そして、必ずどちらか一方を選ぶ必要もありません。
貯金+親の新NISA+こどもNISA
の3つを組み合わせてもOKです。
非課税枠を使い切ることを目標にするのではなく、
「わが家のお金を、目的に合わせてどこに置くか」
という視点で考えてみましょう。

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