分配金あり・なしどっちがおすすめ?投資信託の違いを初心者向けに解説

「分配金がもらえる投資信託のほうがお得?」

「分配金なしの商品は、利益をもらえないの?」

「新NISAで長期投資するならどっちを選べばいい?」

投資信託を選んでいると、「分配金あり」「分配金なし」という違いを目にすることがあります。

定期的にお金を受け取れる「分配金あり」のほうが魅力的に感じる人もいるでしょう。

しかし、これから新NISAを利用して長期的な資産形成を目指すのであれば、単純に、

「分配金が多い=良い投資信託」

とは限りません。

むしろ長期的に資産を増やすことを目的にする場合、分配金を出さずに運用を続けるタイプが向いているケースもあります。

重要なのは、分配金が「どこから出ているのか」と、受け取ったお金を「その後どうするのか」です。

この記事では、

  • 投資信託の分配金とは何か
  • 分配金あり・なしの違い
  • 分配金を受け取るメリット・デメリット
  • 分配金なしが長期投資と相性がいい理由
  • 新NISAではどちらを選べばいいのか

について、投資初心者にもわかりやすく解説します。

「分配金をもらったほうがお得そう」と考えている方も、商品を選ぶ前に基本的な仕組みを確認しておきましょう。


目次

投資信託の分配金とは?

分配金とは、投資信託の決算時に、その投資信託の資産の一部を投資家へ支払うお金です。

株式投資の「配当金」と似ているように感じますが、仕組みは同じではありません。

投資信託の分配金は、運用によって得られた収益などをもとに、投資信託の資産から支払われます。

そのため、まず覚えておきたいのが、

分配金は「タダでもらえるボーナス」ではない

ということです。

分配金を出すと基準価額はその分下がる

投資信託には「基準価額」があります。

簡単にいえば、投資信託の値段を表すものです。

たとえば、基準価額が1万2,000円だった投資信託から500円の分配金が支払われたとします。

その他の値動きがなかったと仮定すると、分配後の基準価額はその分だけ低くなります。

つまり、

分配金500円を受け取ったから、単純に500円得をした

というわけではありません。

投資信託の資産の一部が、分配金として投資家へ戻ってきたと考えるとわかりやすいでしょう。

分配金には「普通分配金」と「特別分配金」がある

分配金について知っておきたいのが、

普通分配金特別分配金(元本払戻金)の違いです。

普通分配金は、投資家にとって利益にあたる部分から支払われる分配金です。課税口座では原則として税金がかかります。

一方の特別分配金は、投資家の元本の一部が払い戻されるものです。

つまり、

「分配金がたくさん出ている=運用でたくさん利益が出ている」

とは限らないということです。

投資信託を選ぶときは、分配金の金額だけを見るのではなく、その分配金がどのような仕組みで支払われているのかを確認することが大切です。

投資信託を選ぶときは、分配金だけでなく、保有中にかかるコストも確認しておきたいポイントです。信託報酬の仕組みや長期投資への影響については、こちらの記事で詳しく解説しています。

「分配金あり」と「分配金なし」は何が違う?

では、分配金あり・なしでは何が違うのでしょうか。

大きな違いは、運用で得られた収益などを投資家へ分配するか、ファンド内に残して運用を続けるかです。

イメージすると次のようになります。

「分配金なし」は利益が出ないわけではない

ここは初心者が勘違いしやすいところです。

「分配金なし」と聞くと、

「利益をもらえないなら損なのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、分配金を出さない投資信託でも、投資先の株式などが値上がりすれば、その成果は基準価額に反映されます。

つまり、

現金として受け取るか

それとも、

ファンド内に残して運用を続けるか

という違いがあります。

長期的な資産形成では、この違いが非常に重要になってきます。

分配金ありは定期的に現金を受け取れる

分配金ありの大きなメリットは、定期的に現金を受け取れる可能性があることです。

たとえば、すでにまとまった資産があり、

「資産を増やすより、生活費などとして定期的にお金を受け取りたい」

という人にとっては、分配型の商品が選択肢になることがあります。

一方、まだ資産形成の途中で、

「10年、20年かけてできるだけ資産を大きくしたい」

という場合はどうでしょうか。

ここで重要になってくるのが複利効果です。

分配金を受け取る場合と、受け取らずに運用を続ける場合では、長期間で資産の増え方に違いが生まれる可能性があります。

では、なぜ分配金を出さない投資信託が長期投資に向いているのでしょうか。

分配金ありのメリット・デメリット

まずは「分配金あり」の投資信託から見ていきましょう。

分配金ありの最大の特徴は、投資信託を保有しながら定期的に現金を受け取れる可能性があることです。

メリット|定期的に現金を受け取れる

分配金ありの商品では、決算時に分配金が支払われることがあります。

そのため、

「運用しながら定期的な収入も得たい」

という人にはメリットがあります。

たとえば、老後にまとまった資産を運用しながら、その一部を生活費として使いたい場合などです。

自分で投資信託を少しずつ売却しなくても、分配金によって現金を受け取れる可能性があります。

ただし、分配金は必ず支払われるものではなく、金額が減ったり支払われなかったりする場合もあります。

デメリット|資産形成の効率が下がる可能性がある

一方、これから資産を増やしていきたい人にとっては注意点があります。

分配金が支払われると、その分のお金がファンドの資産から外に出ます。

そのお金を使ってしまえば、以降の運用には回りません。

長期投資では、

元本だけでなく、運用によって得られた利益もさらに運用する

ことで資産の成長が期待できます。

これが複利の考え方です。

資産形成の途中で分配金を何度も受け取って使ってしまうと、ファンド内に残して運用を続けた場合と比べて、複利を活かしにくくなる可能性があります。

また、課税口座では普通分配金に税金がかかるため、税引き後に再投資する場合には、その影響も考える必要があります。


分配金なしのメリット・デメリット

次に「分配金なし」のタイプを見てみましょう。

分配金を頻繁に出さず、ファンド内で運用を続ける商品は、長期的な資産形成と相性がいいと考えられます。

メリット|複利を活かしやすい

大きなメリットが、運用資産をファンド内に残しやすいことです。

運用で得られた収益などを分配せずに運用し続ければ、その資産もその後の運用に回ります。

たとえば100万円を運用して5%増えれば105万円です。

その105万円をそのまま運用してさらに5%増えれば、次は元の100万円ではなく、105万円をもとに資産が増えていきます。

このように、

利益がさらに利益を生む効果

が複利です。

もちろん毎年5%ずつ増えるわけではありませんが、10年、20年と長期で資産形成をする場合には、この複利を活かせるかどうかが重要になります。

新NISAで長期投資を考えている方には、分配を抑えて運用を続ける投資信託も選択肢になります。人気のオルカンの特徴や仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

デメリット|定期的な現金収入には向かない

一方、分配金を出さない商品では、保有しているだけでは定期的な現金収入を得られません。

資産を生活費などに使いたい場合には、必要に応じて投資信託を売却して現金化する必要があります。

そのため、

資産を増やしている段階なのか

それとも、

すでにある資産から定期的にお金を受け取りたい段階なのか

によって、考え方が変わります。


分配金あり・なしで長期の資産額はどう変わる?

分配金あり・なしを考えるうえで重要なのが、受け取った分配金をどうするかです。

ここでは仕組みをわかりやすくするため、単純な例で考えてみます。

100万円を年5%で20年間運用できたと仮定します。

利益を運用に回し続けた場合、

100万円 → 約265万円になります。

一方、毎年の利益をすべて現金として受け取り、元の100万円だけを運用し続けたと単純化すると、

100万円 × 5%=年間5万円

20年間では合計100万円を受け取る計算です。

元本100万円と合わせれば200万円相当です。

つまり単純な例では、

複利運用:約265万円

利益を毎年受け取る:約200万円

となり、約65万円の差が生まれます。

長期投資では、運用期間が長くなるほど複利の効果も期待できます。実際にオルカンを20年間積み立てた場合の資産額については、こちらの記事でシミュレーションしています。

分配金を再投資すれば同じでは?

ここで、

「受け取った分配金を自分で再投資すればいいのでは?」

と思うかもしれません。

確かに、分配金を使わずに再投資する方法もあります。

ただし課税口座で普通分配金を受け取れば税金が差し引かれるため、全額をそのまま再投資できるとは限りません。

また、新NISAで分配金を再投資する場合も、商品の仕組みや再投資の扱いを確認する必要があります。

資産形成が目的なら、最初から分配を抑えてファンド内で運用を続けるタイプのほうが、仕組みとしてシンプルな場合があります。

大切なのは、

「分配金をたくさんもらえる商品がお得」と考えないこと

です。

分配金の金額だけではなく、基準価額の動きも含めたトータルリターンで考える必要があります。

では、新NISAで長期的な資産形成を目的にする場合、結局「分配金あり」と「分配金なし」のどちらを選べばいいのでしょうか。

新NISAなら「分配金あり・なし」どっちがおすすめ?

ここまで分配金あり・なしの違いを見てきましたが、

「結局、新NISAではどっちを選べばいいの?」

と思う方もいるでしょう。

これから新NISAを使って10年、20年と資産形成を続けるのであれば、一般的には分配を抑えてファンド内で運用を続けるタイプが選択肢になりやすいでしょう。

理由はシンプルで、

運用で得られた収益などをファンド内に残し、長期運用を続けやすいからです。

資産形成中は「受け取る」より「育てる」

新NISAを始める目的が、

「老後に向けて資産を増やしたい」

「20年後のために積立投資をしたい」

というものであれば、今すぐ投資から現金収入を得る必要はないかもしれません。

分配金を受け取って使うより、運用資産をできるだけ残して長期間運用するほうが、複利を活かしやすくなります。

そのため資産形成中は、

「いくら分配金をもらえるか」ではなく、「長期的に資産全体をどのくらい育てられるか」

という視点で商品を見ることが大切です。

新NISAでも分配金だけで判断しない

新NISAでは、一定の条件のもとで運用益が非課税になります。

そのため課税口座とは税金の扱いが異なりますが、それでも「分配金が多い商品ほどお得」ということにはなりません。

分配金が支払われれば、その分だけファンドの資産は外へ出ます。

新NISAでも、

投資対象・運用方針・信託報酬・分配方針

などを総合的に確認して商品を選びましょう。

新NISAで長期投資を始めるときは、分配方針だけでなく「何に投資するか」も重要です。人気のオルカンとS&P500の違いについては、こちらの記事で比較しています。

分配金が多い投資信託を見るときの注意点

投資信託を探していると、

「毎月分配」

「高い分配金」

といった商品が魅力的に見えることがあります。

毎月お金が入ってくると、

「投資で毎月利益を得ている」

と感じやすいでしょう。

しかし、分配金の金額だけで投資信託を判断するのは注意が必要です。

分配金=利益とは限らない

さきほど解説したように、投資信託の分配金には、利益に相当する普通分配金だけでなく、元本の一部が払い戻される特別分配金(元本払戻金)となる場合があります。

つまり、

自分が投資したお金の一部が戻ってきているだけ

というケースもあるのです。

たくさん分配金を受け取っていても、その一方で基準価額が大きく下がっていれば、資産全体では増えていない可能性があります。

「分配金の金額」よりトータルで考える

投資信託の運用成果を見るときは、

「年間○万円の分配金をもらった」

だけで判断するのではなく、

分配金+基準価額の変化

を含めて考えることが重要です。

たとえば分配金を10万円受け取っても、保有している投資信託の価値がそれ以上に下がっていれば、「10万円儲かった」と単純にはいえません。

反対に分配金が0円でも、基準価額が上昇して資産全体が大きくなっていれば、運用成果が出ている可能性があります。

投資信託を比較するときは、

「分配金が多いか」ではなく、「トータルリターンはどうか」

という視点を持っておきましょう。


分配金あり・なしはどんな人に向いている?

最後に、それぞれどのような人に向いているのか整理してみましょう。

分配金ありが向いている人

分配金ありの商品は、

定期的に現金を受け取りたい人

に選択肢となる場合があります。

たとえば、

  • すでにまとまった資産を形成している
  • 運用資産から定期的な収入を得たい
  • 分配金を生活費などに利用したい

といった人です。

資産を「これから増やす」というより、保有資産からお金を受け取りながら運用したい人にとって検討する余地があります。

ただし、分配金の金額や支払いは保証されていないため、分配方針や運用状況を確認することが大切です。

分配金なしが向いている人

一方、分配を抑えて運用を続ける商品は、

  • 新NISAで長期投資したい
  • 老後資金を準備したい
  • 今は投資から現金収入を得る必要がない
  • 複利を活かして資産形成したい

という人と相性がいいでしょう。

特にこれから10年、20年と積立投資を続けるのであれば、

今受け取るお金より、将来の資産を育てる

という考え方が重要になります。

ただし、分配金の有無だけで商品を決める必要はありません。

最終的には、投資対象やリスク、信託報酬なども含めて判断しましょう。

まとめ|資産形成が目的なら分配金だけで商品を選ばない

今回は、投資信託の「分配金あり・なし」の違いについて解説しました。

最後にポイントを整理します。

分配金は投資信託の資産から投資家へ支払われる

分配金が支払われると、その分だけ基準価額は下がる要因になる

分配金が多いからといって、運用成績が良いとは限らない

長期の資産形成では、分配を抑えて運用を続けるタイプが選択肢になりやすい

定期的な現金収入が必要な人には、分配型が選択肢になる場合もある

分配金だけではなく、トータルリターンやコストも確認する

分配金は実際に現金を受け取れるため、投資初心者にとって魅力的に感じやすいものです。

しかし、

「分配金をもらえる=その分だけ資産が増える」

わけではありません。

特に新NISAを利用して長期的な資産形成を目指すのであれば、今すぐ現金として受け取る必要があるのか、それとも運用を続けて将来の資産を大きくしたいのかを考えてみましょう。

資産形成中であれば、分配金の金額だけに注目するのではなく、

「長期で資産全体をどのように育てるか」

という視点が大切です。

そのうえで、投資対象・リスク・信託報酬・分配方針などを比較し、自分の投資目的に合った商品を選びましょう。

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この記事を書いた人

40代会社員・3児の父。家族の将来を考え、新NISA・家づくり・子育てを実践中。実体験をもとに、暮らしに役立つ情報をわかりやすく発信しています。

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