オルカンは円高・円安でどうなる?為替の影響を初心者向けにわかりやすく解説

「円高になるとオルカンは下がる?」

「円安になったほうがオルカンには有利なの?」

「せっかく世界の株価が上がっても、円高になったら損する?」

オルカンに投資していると、ニュースで「円高」「円安」という言葉を聞くたびに、自分の資産への影響が気になる人も多いのではないでしょうか。

eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称オルカンは、日本を含む世界中の株式へ分散投資する投資信託です。

世界中に投資しているため、オルカンの値動きは株価だけで決まるわけではありません。

日本からオルカンを購入する場合、為替の変動も基準価額に影響します。

基本的な関係を簡単に整理すると、

円安 → オルカンの円換算での評価額にはプラス方向に働きやすい

円高 → オルカンの円換算での評価額にはマイナス方向に働きやすい

という特徴があります。

ただし、

「円安なら必ずオルカンが上がる」

「円高になったら必ず損をする」

という意味ではありません。

オルカンの値動きには、世界の株価や各国の構成比率など、さまざまな要因が関係しているからです。

そこでこの記事では、

  • 円高・円安とは何か
  • なぜ為替がオルカンに影響するのか
  • 円安になるとオルカンはどうなるのか
  • 円高になるとどのくらい影響するのか
  • 円高になったらオルカンを売るべきなのか
  • 積立投資では円高・円安をどう考えればいいのか

について、投資初心者にもわかりやすく解説します。

オルカンを長期で積み立てていくなら、為替との関係はぜひ知っておきたいポイントです。

目次

そもそも円高・円安とは?

まずは「円高」「円安」の意味から確認しておきましょう。

ニュースでは、

1ドル=100円

1ドル=150円

などと表示されています。

初めて見ると、「150円のほうが数字が大きいから円高?」と思ってしまうかもしれません。

しかし実際は逆です。

1ドル100円から150円になったら「円安」

たとえば、1ドル=100円だったとします。

この場合、1ドルを手に入れるためには100円必要です。

その後、1ドル=150円になったとします。

同じ1ドルを手に入れるために、今度は150円必要になります。

つまり、以前より多くの円を出さなければ1ドルと交換できません。

これは円の価値がドルに対して下がった状態なので「円安」です。

反対に、1ドル=150円 → 100円となれば、以前より少ない円で1ドルを購入できます。

円の価値が高くなっているため「円高」です。

簡単に整理すると、

1ドル100円 → 150円:円安

1ドル150円 → 100円:円高

となります。

外国の資産を持っていると為替の影響を受ける

ここがオルカンを理解するうえで重要です。

たとえば、1,000ドルの米国株を持っていたとします。

株価そのものがまったく変わらなかったとしても、円換算すると資産額は変化します。

1ドル=100円なら、

1,000ドル × 100円=10万円

です。

ところが1ドル=150円まで円安になると、

1,000ドル × 150円=15万円

になります。

米国株そのものの価値は1,000ドルで変わっていないのに、日本円で見ると、

10万円 → 15万円

になりました。

これが為替変動による影響です。

逆に1ドル150円から100円へ円高になれば、

15万円 → 10万円

となります。

つまり、外国資産へ投資している場合、

株価がどう動くか

だけではなく、

円と外国通貨の関係がどう動くか

によっても円換算した資産額が変わるのです。

なぜオルカンは円高・円安の影響を受ける?

では、なぜオルカンも為替の影響を受けるのでしょうか。

理由は、オルカンの投資先の多くが日本以外の企業だからです。

オルカンは名前のとおり、世界中の株式へ投資します。

日本企業だけではなく、

  • 米国
  • 欧州
  • カナダ
  • 新興国
  • その他の先進国

など、幅広い地域の企業が含まれています。

そのため、日本円から見たオルカンの価値を考えるときには、外国株式の値動きだけでなく為替の変動も関係します。

オルカンの投資先や仕組みについて詳しく知りたい方は、こちらの記事で初心者向けに解説しています。

オルカンは米国株の割合も大きい

オルカンは「全世界株式」なので、世界各国へ均等に投資していると思うかもしれません。

しかし実際には、国ごとの株式市場の規模などを反映して構成されています。

そのため、世界の株式市場で大きな割合を占める米国株の比率も高くなっています。

つまりオルカンは、

世界中へ分散している一方で、円とドルの為替変動からも大きな影響を受ける可能性がある

ということです。

もちろん、オルカンには米国以外の国も含まれているため、ドル円だけですべての値動きを説明できるわけではありません。

それでも初心者がオルカンと為替の関係を理解するときは、

「海外資産を多く持っているので、円の価値が変われば円換算した資産価値も変わる」

と考えるとわかりやすいでしょう。

「株価」と「為替」の両方が動く

オルカンの値動きを理解するときに重要なのが、

株価と為替は同時に動くということです。

たとえば海外株式が10%上昇したとしても、同じ期間に大きく円高になれば、円換算したときの利益が小さくなる可能性があります。

反対に海外株式がそれほど上昇していなくても、大きく円安になれば、円換算したオルカンの評価額が押し上げられることがあります。

イメージとしては、

海外株価上昇 + 円安
→ オルカンにはプラス方向の要因が重なる

一方、

海外株価下落 + 円高
→ オルカンにはマイナス方向の要因が重なる

ということです。

ただし、

海外株価上昇 + 円高

や、

海外株価下落 + 円安

という組み合わせもあります。

その場合は、一方の影響がもう一方を打ち消すこともあります。

だからこそ、

「今日は円高だからオルカンは絶対下がる」

「円安だからオルカンは絶対上がる」

と単純に判断することはできません。

為替ヘッジなしとは?

オルカンについて調べていると、

「原則として為替ヘッジを行わない」

という説明を目にすることがあります。

為替ヘッジとは、為替変動による影響を抑えるための仕組みです。

為替ヘッジを行わない場合、基本的には為替変動の影響をそのまま受けることになります。

そのためオルカンを保有していると、

円安になればプラス方向

円高になればマイナス方向

に影響する可能性があります。

ただし、為替の動きを予測して売買を繰り返す必要があるという意味ではありません。

オルカンを長期で積み立てる場合は、何年、何十年という期間の中で円高になる時期も円安になる時期も経験する可能性があります。

重要なのは、

「円高になったらどうするか」

「円安になったら買うのをやめるべきか」

という点です。

次は、具体的な数字を使って、

円安になるとオルカンの評価額がどう変わるのか

円高になるとどのくらい影響する可能性があるのか

をわかりやすくシミュレーションしていきます。

円安になるとオルカンはどうなる?

ここまで、オルカンは世界中の株式へ投資しているため、株価だけでなく為替の影響も受けることを説明しました。

では、実際に円安になるとオルカンにはどのような影響があるのでしょうか。

基本的には、

円安になると、海外資産の円換算額が増えるため、オルカンの基準価額にはプラス方向に働きやすくなります。

具体的な数字で考えてみましょう。

1ドル100円から150円になった場合

わかりやすくするため、1,000ドル分の海外資産を持っていると仮定します。

株価そのものは変化していないものとします。

1ドル=100円なら、

1,000ドル × 100円=10万円

です。

その後、1ドル=150円まで円安になった場合、

1,000ドル × 150円=15万円

になります。

海外資産そのものは1,000ドルのままですが、円換算すると、

10万円 → 15万円

となります。

このように円安は、日本円から見た海外資産の価値を押し上げる方向に働きます。

オルカンは海外株式を多く含んでいるため、同じように円安の影響を受けます。

株価上昇+円安なら両方がプラスに働く

さらに海外株式そのものが上昇し、同時に円安が進んだ場合はどうでしょうか。

たとえば、

海外資産:1,000ドル → 1,100ドル

為替:1ドル100円 → 150円

になったとします。

最初は、

1,000ドル × 100円=10万円

でした。

その後は、

1,100ドル × 150円=16万5,000円

になります。

株価の上昇と円安の両方が円換算した資産額を押し上げています。

このように、

世界の株価上昇+円安

という状況では、オルカンの基準価額も上昇しやすくなります。

円安だからオルカンが必ず上がるわけではない

ただし、ここで注意したいのが、

円安=オルカン上昇

と決まっているわけではないことです。

たとえば円安になっていても、世界の株価がそれ以上に大きく下落していれば、オルカンの基準価額が下がることがあります。

仮に為替が円安方向へ10%動いたとしても、海外株式が20%下落すれば、株価下落の影響のほうが大きくなる可能性があります。

つまりオルカンを見るときは、

「円安だから安心」

ではなく、

「株価と為替の両方が基準価額に影響している」

と考えることが重要です。

円高になるとオルカンはどのくらい下がる?

円安とは反対に、円高はオルカンの円換算した評価額にマイナス方向に働きやすくなります。

これも具体的な数字で見てみましょう。

1ドル150円から120円になった場合

1,000ドルの海外資産を保有しているとします。

1ドル=150円なら、

1,000ドル × 150円=15万円

です。

その後、円高が進み、

1ドル=120円

になったとします。

すると、

1,000ドル × 120円=12万円

になります。

海外資産そのものは1,000ドルから変わっていません。

それでも円換算した資産額は、

15万円 → 12万円

となり、20%減少します。

これが円高による為替の影響です。

株価が上がっても円高で利益が小さくなることがある

さらに重要なのが、

海外株式が上昇しているのに、オルカンの円換算での上昇が小さくなる

ケースです。

たとえば、

海外資産:1,000ドル → 1,100ドル(10%上昇)

したとします。

しかし同時に、

1ドル150円 → 120円

まで円高になったとします。

最初は、

1,000ドル × 150円=15万円

です。

その後は、

1,100ドル × 120円=13万2,000円

になります。

海外資産自体は10%増えています。

それにもかかわらず、円換算すると、

15万円 → 13万2,000円

となっています。

つまり、

「世界の株価が上がった=オルカンも同じだけ上がる」

とは限りません。

日本から海外資産へ投資するときには、為替がそのリターンを押し上げたり、反対に打ち消したりすることがあります。

円高+株安は特に大きな下落要因になりやすい

オルカンを保有している人にとって厳しい状況の一つが、

世界的な株価下落+円高

が同時に起こるケースです。

海外株式そのものが下落し、さらに円換算した価値も円高によって低下するため、両方がマイナス方向に働きます。

このような状況になると、

「オルカンが想像以上に下がった」

と感じる可能性があります。

しかし、長期投資ではこうした状況が一度も起こらないことを前提にするのではなく、

株価下落や円高によって、一時的に資産額が大きく減る可能性がある

と理解したうえで投資することが大切です。

オルカンのリターンは、世界の株価だけでなく為替の影響も受けます。過去の利回りや長期的なリターンについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

円高になったらオルカンを売ったほうがいい?

円高がオルカンの評価額にマイナス方向に働くと聞くと、

「これから円高になりそうなら、先に売ったほうがいいのでは?」

と思う人もいるかもしれません。

しかし、長期積立を目的としているのであれば、為替だけを理由に売買を繰り返すのは慎重に考える必要があります。

理由はシンプルで、

これから円高になるのか円安になるのかを正確に予測することは難しいからです。

為替の底や天井を当て続けるのは難しい

たとえば、

「これ以上円安にはならないだろう」

と思ってオルカンを売却したあと、さらに円安が進むかもしれません。

反対に、

「まだ円安が続くだろう」

と思っていたら、急速に円高へ動くこともあります。

為替は、

  • 日本と海外の金利差
  • 中央銀行の金融政策
  • インフレ
  • 景気
  • 国際情勢
  • 投資家心理

など、さまざまな要因で変動します。

専門家でも将来の為替を正確に予測し続けることは困難です。

そのため、

円高を予想して売る → 円安になったら買い直す

といった売買を繰り返すと、本来の長期投資とは違う投資方法になってしまいます。

円高は積立中なら悪いことばかりではない

ここは特に重要なポイントです。

オルカンをすでに大量に保有している場合、円高によって円換算した評価額が下がるのは嬉しいことではありません。

しかし、これからも毎月積み立てを続ける人にとっては見方が変わります。

円高によってオルカンの基準価額が下がれば、

同じ積立額でも、より多くの口数を購入できる可能性があります。

たとえば毎月5万円を積み立てている場合、

基準価額が高いときは少ない口数を購入し、

基準価額が低いときは多くの口数を購入することになります。

つまり積立期間中は、

「評価額が下がった=すべて悪い」

とは限りません。

長期積立では、価格が低い時期にも淡々と購入を続けることで、その後価格が回復したときに資産形成につながる可能性があります。

円高だけでなく、世界的な株安が重なるとオルカンの評価額が大きく下がる可能性もあります。暴落時にどう行動すればいいのかについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

円高・円安より「いつ使うお金なのか」が重要

為替を考えるときも、最終的に重要になるのは投資の目的です。

たとえば20年以上先の老後資金としてオルカンを積み立てているのであれば、現在のドル円だけを見て毎回投資判断を変える必要性は高くありません。

一方、

「1年後に必ず使うお金」

までオルカンに投資している場合は話が違います。

使う直前に円高や株価下落が起これば、必要な金額を確保できなくなる可能性があります。

だからこそ、

円高・円安を予測することより、近いうちに使うお金を投資しすぎないこと

のほうが重要です。

「円高になったら売るべき?」と迷っている方は、新NISAの売却タイミングについても確認しておきましょう。

円安のときにオルカンを買うのは損?

もう一つよくある疑問が、

「こんなに円安のときにオルカンを買って大丈夫?」

というものです。

円安になると海外資産の円換算価格が高くなりやすいため、

「円高になるまで待ったほうが安く買えるのでは?」

と考えたくなるかもしれません。

確かに、購入後に大幅な円高になれば、為替だけを見れば不利になる可能性があります。

しかし問題は、

いつ円高になるのかわからない

ことです。

円高を待っている間に世界の株価が上昇すれば、結果的にもっと高い価格で購入することになる可能性もあります。

積立投資なら為替のタイミングも分散できる

毎月一定額を積み立てる方法には、購入時期を分散できるという特徴があります。

たとえば10年間積み立てるなら、

円安のときにも買う

円高のときにも買う

ことになります。

最も円高のタイミングだけを狙って購入することはできませんが、反対に最も円安のタイミングですべての資金を投資してしまうリスクも抑えられます。

これは株価についても同じです。

高いときにも安いときにも一定額を積み立てることで、購入タイミングを分散できます。

長期積立を前提とするのであれば、

「今は円安だから始めない」

と為替だけを理由に投資時期を決めるより、

自分の投資目的や家計に合わせて無理のない金額を継続する

という考え方もできます。

次は、円高・円安を気にしすぎずオルカンを長期積立するための考え方や、為替リスクとの付き合い方、この記事のまとめまで解説していきます。

オルカンを長期積立するなら円高・円安を気にしすぎなくてもいい?

ここまで見てきたように、オルカンは海外株式を多く含んでいるため、円高・円安の影響を受けます。

そのため、

「円高になりそうだから積立を止めたほうがいい?」

「円安だから今は買わないほうがいい?」

と考えてしまう人もいるでしょう。

しかし、10年、20年と長期間積み立てるのであれば、短期的な為替の動きだけで投資方針を変更する必要性は高くありません。

長い運用期間では、円高の時期もあれば、円安の時期もある可能性が高いからです。

長期投資では「今の為替」だけで判断しない

たとえば20年間オルカンを積み立てるとします。

その20年間ずっと同じ為替レートが続くとは考えにくいでしょう。

円安が進む時期もあれば、反対に円高へ戻る時期もあるかもしれません。

重要なのは、

「今が円高か円安か」だけで20年間の投資結果を判断しないこと

です。

現在の為替が将来もそのまま続くとは限りません。

また、オルカンの運用成果は為替だけではなく、世界中の企業の株価にも大きく左右されます。

そのため、

「円高になりそうだから全部売る」

「円安だから積立を止める」

というように、為替だけで長期の投資方針を変更すると、世界の株価上昇を取り逃す可能性もあります。

積立なら円高・円安の両方で購入する

毎月一定額を積み立てていれば、為替のタイミングも自然に分散されます。

たとえば10年間なら120回、20年間なら240回に分けて購入することになります。

その間には、

円安で基準価額が高いときもあれば、

円高などによって基準価額が低くなるときもあるでしょう。

つまり、

「一番良い為替レートを当てて投資する」

のではなく、

さまざまな相場環境で少しずつ購入していく

ことになります。

これも積立投資のメリットの一つです。

短期的な為替変動ではなく、10年という長期でオルカンを積み立てた場合にどのくらいの資産になるのか、こちらの記事でシミュレーションしています。

円高・円安よりもオルカン投資で大切なこと

為替はオルカンの値動きに影響する重要な要素です。

しかし、長期の資産形成を考えるのであれば、毎日のドル円を確認すること以上に重要なことがあります。

① 生活防衛資金を確保する

まず大切なのが、投資とは別に必要な現金を確保しておくことです。

オルカンは元本保証ではありません。

世界的な株価下落に円高が重なれば、評価額が大きく減る可能性もあります。

そんなときに急な出費が発生し、手元に現金がなければ、値下がりしているオルカンを売却しなければならないかもしれません。

そのため、

生活に必要なお金

数年以内に使う予定のお金

まで投資に回さないことが重要です。

長期間使う予定のない資金で投資することで、円高や暴落が起きても慌てずに運用を続けやすくなります。

② 無理のない積立額を設定する

円高・円安に関係なく、長期投資では継続することが重要です。

毎月10万円を積み立てても、生活が苦しくなって数年でやめてしまうのであれば、自分に合った投資額とはいえないかもしれません。

毎月1万円でも3万円でも5万円でも構いません。

家計に合わせて、

相場が悪くても続けられる金額

を設定することが大切です。

収入が増えたり家計に余裕ができたりしたら、そのタイミングで積立額を増やす方法もあります。

③ 為替を予測して売買を繰り返さない

為替のニュースを見ていると、

「これから円高になりそう」

「まだ円安が進みそう」

という予想を目にすることがあります。

しかし、実際にその通りになるとは限りません。

為替の動きを何度も正確に当てて売買することは簡単ではありません。

オルカンを長期の資産形成のために保有しているのであれば、

為替の短期予想より、自分の投資目的を優先する

ことが大切です。

さらに長期で積み立てた場合については、20年間の積立シミュレーションも参考にしてください。

オルカンを売るときも円高・円安は関係する

オルカンと為替の関係を考えるとき、購入時だけではなく売却時についても知っておく必要があります。

たとえば長期間積み立てたオルカンを老後資金として取り崩す場合です。

売却時に円安になっていれば、海外資産の円換算額が高くなりやすいため、為替はプラス方向に働きます。

一方、売却時に大幅な円高になっていれば、円換算した評価額が下がる可能性があります。

だからといって、

「円安になるまで絶対に売らない」

と考える必要はありません。

重要なのは、必要なタイミングで必要な金額を確保できるように準備しておくことです。

使う直前にすべて売る必要はない

たとえば20年間積み立てたあと、老後資金としてオルカンを使うとします。

2,000万円の資産があったとしても、生活費として必要なのが年間120万円なら、2,000万円すべてを一度に売却する必要はありません。

必要な分だけ少しずつ売却し、残りを運用する方法もあります。

そうすれば、売却する為替レートや株価のタイミングも分散できます。

ただし、運用を続ける以上は値下がりする可能性も残ります。

そのため、近いうちに使う予定のお金については、必要になる時期が近づいてきた段階で少しずつ現金化するという考え方もあります。

円高になる前に売るのではなく、使う時期から考える

為替の将来を正確に予測することはできません。

そのため、

「円高になる前に売ろう」

と考えるより、

「このお金はいつ必要なのか」

から逆算して売却方法を考えるほうが現実的です。

長期投資では、買うタイミングだけではなく、最終的にどう取り崩すのかまで考えておくことが重要です。

円高になったときこそ覚えておきたい3つのこと

実際に大きく円高が進み、オルカンの評価額が下がると、不安になるかもしれません。

そんなときは、次の3つを思い出しましょう。

① 円高だけでオルカンの将来を判断しない

オルカンの値動きを決めるのは為替だけではありません。

世界中の企業の成長や株価も重要です。

短期的に円高で評価額が下がっても、その後世界の株価が上昇したり、再び円安になったりする可能性があります。

反対に円安でも、世界の株価が大きく下落すればオルカンが下がる可能性があります。

為替だけを見て投資の成否を判断しないことが大切です。

② 積立中なら安く買える可能性がある

円高によってオルカンの基準価額が下がれば、保有資産の評価額は減る可能性があります。

しかし積立を続けている人にとっては、同じ金額でより多くの口数を購入できる可能性があります。

つまり、

資産を取り崩している人

と、

これから資産を積み上げる人

では、円高の意味が少し違います。

積立期間がまだ長く残っているのであれば、短期的な評価額だけを見るのではなく、購入価格にも目を向けてみましょう。

③ 自分ではコントロールできないものに振り回されない

株価も為替も、自分でコントロールすることはできません。

一方、

毎月いくら積み立てるか

生活防衛資金をいくら残すか

何年間運用するか

いつ資産を使うか

は、自分で決めることができます。

長期投資では、予測できない為替を当てようとするよりも、自分でコントロールできる部分を整えることが重要です。


まとめ|オルカンは円高・円安の影響を受けるが為替だけで判断しない

今回は、オルカンと円高・円安の関係について解説しました。

最後にポイントを整理します。

オルカンは海外株式を多く含むため為替の影響を受ける

円安はオルカンの円換算評価額にプラス方向に働きやすい

円高は円換算評価額にマイナス方向に働きやすい

円安でも世界の株価が下落すればオルカンが下がることはある

円高でも株価上昇によって値上がりする可能性はある

円高・円安のタイミングを正確に予測することは難しい

積立投資なら円高・円安の両方のタイミングで購入できる

円高による値下がりは積立中なら安く買える機会になる場合もある

売却時も為替の影響を受けるため、必要な資金は計画的に現金化する

オルカンを保有していると、急激に円高が進んだときに資産額が減り、

「このまま持っていて大丈夫?」

と不安になることもあるでしょう。

しかしオルカンは、短期的な為替変動だけで利益を狙う商品ではありません。

世界中の企業へ分散投資し、長期間かけて資産形成していくための選択肢の一つです。

10年、20年と積み立てるのであれば、その途中で円高になる時期も円安になる時期もあるでしょう。

大切なのは、円高・円安を予測して売買を繰り返すことではなく、

自分の家計に合った金額を、長期的な目的に合わせて積み立てていくことです。

そして資産を使う時期が近づいてきたら、株価や為替が大きく変動しても困らないよう、必要なお金を少しずつ現金へ移すことも検討しましょう。

円高・円安はオルカンの値動きに影響する。しかし、為替だけで投資判断をしない。

この考え方を持っておくと、為替が大きく動いたときにも長期的な視点でオルカンと付き合いやすくなります。

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この記事を書いた人

40代会社員・3児の父。家族の将来を考え、新NISA・家づくり・子育てを実践中。実体験をもとに、暮らしに役立つ情報をわかりやすく発信しています。

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