「投資を始める前に生活防衛資金を貯めたほうがいいと聞くけど、いくら必要?」
「100万円あれば十分?それとも生活費1年分くらい必要?」
資産形成について調べていると、よく出てくるのが「生活防衛資金」という言葉です。
生活防衛資金とは、病気や失業、収入減少など、予想外の出来事が起きたときに生活を維持するためのお金です。
投資を優先しすぎて手元の現金がほとんどないと、急な出費が発生したときに投資商品を売却しなければならなくなる可能性があります。
そこで大切なのが、投資とは別に、すぐに使えるお金を確保しておくことです。
この記事では、
・生活防衛資金はいくら必要?
・生活費の何か月分あればいい?
・独身・夫婦・子育て世帯ではどのくらい違う?
・生活防衛資金はどこに置く?
・貯金と投資はどちらを優先する?
について分かりやすく解説します。
生活防衛資金とは?
生活防衛資金とは、予想外の出来事によって収入が減ったり、大きな支出が発生したりした場合に、生活を維持するために確保しておくお金です。

例えば、
・失業や収入減少
・病気やケガ
・家電の故障
・車の修理
・急な引っ越し
などが考えられます。
こうした出来事が起きたとき、すぐに使える貯金がなければ、生活費をクレジットカードやローンに頼ったり、投資している資産を売却したりすることになるかもしれません。
特に投資資産は、必要になったときに値上がりしているとは限りません。
株式市場が大きく下落しているタイミングで現金が必要になれば、損失が出ている状態で売却する可能性もあります。
そのため、
生活防衛資金=資産形成を続けるための土台
と考えると分かりやすいでしょう。
生活防衛資金はいくら必要?
生活防衛資金に、「絶対に○○万円必要」という決まりはありません。
一般的には、毎月の生活費を基準に考えると分かりやすくなります。
例えば、生活費の3か月~1年分程度をひとつの目安として、自分の家庭に必要な金額を考える方法があります。
毎月の生活費が30万円なら、
3か月分 → 90万円
6か月分 → 180万円
12か月分 → 360万円
です。
生活費40万円なら、
3か月分 → 120万円
6か月分 → 240万円
12か月分 → 480万円
となります。
ここで重要なのは、年収ではなく実際の生活費から計算することです。
年収800万円の家庭でも毎月30万円で生活している家庭と、毎月50万円必要な家庭では、必要な生活防衛資金が違います。
まずは、
「収入がなくなったとして、毎月最低いくらあれば生活できる?」
を確認してみましょう。
家族構成によって必要額は変わる
必要な生活防衛資金は、家族構成や働き方によっても変わります。

例えば独身で会社員の場合、
生活費3~6か月分程度
から検討する考え方があります。
一方、子どもがいる家庭では、
生活費6か月~1年分程度
など、より多めに確保する考え方もあります。
これは、子どもがいると、
食費
教育費
住宅費
保険料
など、簡単には減らせない支出が多くなる可能性があるためです。
また、夫婦共働きなのか、一馬力なのかでも違います。
例えば夫婦とも安定した収入があり、一方の収入がなくなっても、もう一方の収入である程度生活できる家庭なら、必要額を少なくできる場合があります。
反対に、
・一馬力世帯
・自営業やフリーランス
・収入の変動が大きい
・住宅ローンの負担が大きい
といった家庭では、生活防衛資金を多めに持つことを検討してもいいでしょう。
つまり、
独身だから○か月
子ども3人だから○万円
と機械的に決めるのではなく、収入が止まったときの家計への影響を考えることが大切です。
まずは「最低生活費」を計算してみよう
生活防衛資金を計算するとき、普段の支出をそのまま使う必要はありません。
緊急時には減らせる支出もあるからです。
例えば普段の生活費が月40万円だったとしても、
外食
旅行
娯楽
趣味
一部のサブスク
などを一時的に減らせば、月30万円で生活できるかもしれません。
この場合、
30万円 × 6か月
=180万円
となります。
この「最低限生活するために必要な金額」を基準にすると、自分に必要な生活防衛資金を考えやすくなります。
家計簿をつけている人なら、
固定費+最低限必要な変動費
を一度確認してみましょう。
生活防衛資金を考えることは、家計を見直すきっかけにもなります。
↓生活防衛資金を計算するには、まず毎月の最低生活費を把握することが大切です。「家計簿は必要?」では、家計の支出を無理なく把握する方法を解説しています。↓
生活防衛資金はどこに置いておく?
生活防衛資金の目的は、
「必要なときにすぐ使えること」です。
そのため、生活防衛資金を株式や投資信託など値動きのある商品で保有することには注意が必要です。
例えば200万円の生活防衛資金をすべて投資していて、相場が大きく下落したときに失業したらどうでしょうか。
資産価格が下がっているにもかかわらず、生活費を確保するために売却しなければならなくなる可能性があります。
そのため生活防衛資金は、
普通預金など、元本割れのリスクが低く、すぐに引き出せる場所
を中心に考えるのが分かりやすいでしょう。
また、生活費用口座と生活防衛資金用口座を分ける方法もあります。
口座を分けておけば、
「これは投資していいお金ではない」
と明確にでき、普段の生活費として使ってしまうことも防ぎやすくなります。
↓生活防衛資金を確保したあと、残ったお金を貯金と投資にどう分ければいいのか迷う人は、「貯金と投資はどう振り分ける?」も参考にしてください。↓【公開予定】
生活防衛資金と投資はどちらを優先する?
資産形成を始めると、
「現金で置いておくより、早く投資したほうが増えるのでは?」
と思うこともあるでしょう。
しかし、生活防衛資金がほとんどない状態で投資を優先しすぎるのは注意が必要です。
例えば手元の現金が20万円しかない状態で100万円を投資しているとします。
そこで突然、
車の修理に30万円必要になった
という状況になれば、投資資産を売却しなければならない可能性があります。

そのため、
① まず最低限の生活防衛資金を確保
② 余裕資金で投資を始める
③ 生活防衛資金を増やしながら投資を続ける
という方法があります。
必ずしも生活費1年分を貯め終わるまで投資を一切してはいけないわけではありません。
例えば最初に生活費3か月分を確保し、その後は、
貯金2万円+投資3万円
など、生活防衛資金と投資を並行して増やす方法も考えられます。
重要なのは、生活防衛資金まで投資に回さないことです。
↓生活防衛資金を確保して新NISAを始める場合も、家計に無理のない金額で続けることが大切です。「新NISAは毎月いくら積み立てる?」では、積立額の考え方を詳しく解説しています。↓

教育費や住宅資金とは分けて考える
生活防衛資金と、
教育費
住宅購入資金
車の買い替え資金
などは、基本的に別のお金として考えましょう。
例えば貯金が300万円あったとしても、
200万円は3年後に使う教育費
と決まっているなら、生活防衛資金として自由に使えるのは残り100万円です。
つまり、
「銀行口座にいくらあるか」
ではなく、
「用途が決まっていない緊急用のお金がいくらあるか」
を見ることが重要です。
目的別に、
生活防衛資金
教育費
住宅・車などの予定資金
投資資金
と分けて管理すると、家計全体の状況が分かりやすくなります。
↓子どもの教育費については、生活防衛資金とは分けて準備しておきましょう。「教育費は貯金と投資どっち?」では、大学までの残り期間に応じた貯金と投資の使い分け方を解説しています。↓
生活防衛資金が貯まったらどうする?
必要な生活防衛資金を確保できたら、その後も現金だけを増やし続ける必要があるとは限りません。
例えば、
生活防衛資金300万円
を目標にして300万円を確保できたら、その後の余裕資金を新NISAなどの長期投資に回す方法もあります。
ただし、一度300万円貯めたら永久に300万円でいいとは限りません。
子どもが生まれたり、住宅を購入したり、毎月の生活費が増えたりすれば、必要な生活防衛資金も変わります。
そのため、
年に1回程度
または
家族構成や働き方が変わったとき
に見直すといいでしょう。
生活防衛資金は「たくさん貯めること」が目的ではありません。
自分や家族が安心して生活しながら、長期の資産形成を続けられる金額を確保すること
が目的です。
まとめ|生活防衛資金は「生活費の何か月分」で考えよう
生活防衛資金には、すべての家庭に共通する正解はありません。
ひとつの考え方として、
生活費3か月~1年分程度
を目安にしながら、家庭の状況に合わせて必要額を決める方法があります。
特に確認したいのは、
① 毎月の最低生活費はいくらか
② 共働きか一馬力か
③ 収入は安定しているか
④ 子どもなど扶養する家族がいるか
⑤ 住宅ローンなど簡単に減らせない固定費はいくらあるか
という点です。
そして生活防衛資金は、
すぐに使える預金などで確保する
ことを基本に考えましょう。
投資で資産を増やすことも大切ですが、長期投資を続けるためには家計の土台が必要です。
まず、
最低生活費 × 3か月
を計算してみてください。
例えば最低生活費が30万円なら、
30万円 × 3か月=90万円
です。
まず90万円を最初の目標にし、達成したら6か月分、必要であれば1年分へ増やしていく方法なら、大きな金額でも取り組みやすくなります。
生活防衛資金を確保したうえで余裕資金を投資する。
この順番を意識することで、急な出費に備えながら長期の資産形成も続けやすくなるでしょう。

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