「毎月10万円余ったら、いくら貯金して、いくら投資すればいい?」
「貯金と投資は50%ずつでいい?」
「新NISAを始めたいけど、貯金をどこまで残せばいい?」
資産形成を始めると悩みやすいのが、貯金と投資の割合です。
できるだけ早く資産を増やしたいと思えば、投資に多く回したくなるかもしれません。
しかし、手元の現金がほとんどない状態で投資を増やしすぎると、急な出費が発生したときに困る可能性があります。
反対に、必要以上に現金を貯め続けると、長期的な資産形成の機会を活用できないこともあります。
そこで大切なのが、
「貯金○%・投資○%」と最初から決めるのではなく、お金を使う時期によって分けること
です。
この記事では、投資と貯金の割合を決める考え方や、年代・家族構成別のポイント、毎月5万円・10万円余る場合の具体例を紹介します。
投資と貯金の割合に正解はない
最初に結論から言うと、
「貯金50%・投資50%なら正解」
というような、すべての人に当てはまる割合はありません。
同じ年収500万円でも、
独身で実家暮らしの人
と
子どもがいて住宅ローンを返済している人
では、必要な現金が違います。
また、すでに500万円の貯金がある人と、貯金が50万円しかない人でも状況は大きく違います。
そのため、投資と貯金の割合を決めるときは、
年齢
家族構成
毎月の生活費
現在の貯金額
数年以内に予定している支出
収入の安定性
などを考える必要があります。
まず、
「投資に何%回す?」
と考えるのではなく、
「現金として残しておく必要があるお金はいくら?」
から考えてみましょう。
まず生活防衛資金を確保する
投資を増やす前に確認したいのが、生活防衛資金です。
生活防衛資金とは、失業や病気、収入減少などが起きた場合に生活を維持するためのお金です。

例えば最低生活費が月30万円なら、
3か月分:90万円
6か月分:180万円
1年分:360万円
となります。
どこまで確保するかは、家族構成や働き方によって変わります。
共働きで収入が安定している家庭と、一馬力で子どもがいる家庭では、必要な金額も同じとは限りません。
大切なのは、
生活防衛資金まで投資に回さないこと
です。
株式や投資信託は、必要なときに値上がりしているとは限りません。
急に現金が必要になったタイミングで相場が暴落していれば、損失が出ている状態で売却することになる可能性があります。
まず生活を守るためのお金を確保し、その後に投資できる金額を考えましょう。
↓生活防衛資金を具体的にいくら準備すればいいのか迷う人は、「生活防衛資金はいくら必要?」も参考にしてください。生活費3か月・6か月・1年分など、家庭に合わせた考え方を詳しく解説しています。↓
「いつ使うお金か」で貯金と投資を分ける
貯金と投資の割合を決めるときに分かりやすいのが、
「そのお金をいつ使うのか」
で分ける方法です。
例えば、

あくまで目安ですが、使う時期が近いほど、値動きの大きな資産に置きすぎないことが重要です。
例えば3年後に車を購入するための300万円をすべて投資すると、購入直前に相場が下落している可能性があります。
一方、
20年以上先の老後資金
なら、短期的な値動きを受け入れられる範囲で長期投資を活用する方法があります。
つまり、
近く使うお金=貯金
長期間使わない余裕資金=投資も検討
という考え方です。
↓特に教育費は、子どもの年齢によって使うまでの期間が変わります。「教育費は貯金と投資どっち?」では、教育費を準備する期間に応じた貯金と投資の使い分け方を紹介しています。↓
毎月5万円余るならどう振り分ける?
ここから具体例を見てみましょう。
毎月の収入から生活費を引いて、5万円余るとします。
まだ生活防衛資金が十分でない場合なら、
貯金:3万円
投資:2万円
という方法が一例です。
まず現金を増やしながら、少額で長期投資も続けます。
一方、すでに十分な生活防衛資金があり、数年以内に大きな支出予定もないなら、
貯金:1万円
投資:4万円
という考え方もできます。
つまり、
同じ毎月5万円でも、現在の貯金額によって適切な振り分けは変わる
ということです。
最初に決めた割合をずっと続ける必要もありません。
生活防衛資金が目標額に達したら、それまで貯金していた金額の一部を投資へ回す方法もあります。
毎月10万円余るならどう振り分ける?
毎月10万円の余裕資金がある場合も考え方は同じです。
例えば生活防衛資金を貯めている途中なら、
貯金:6万円
投資:4万円
という方法があります。
年間では、
貯金72万円
投資48万円
です。
一方、生活防衛資金をすでに確保していて、教育費や車など近い将来の支出も準備できているなら、
貯金:3万円
投資:7万円
など、投資の割合を増やすことも考えられます。
ただし、
投資割合を高くすれば必ず正解
というわけではありません。
投資額を増やしたことで相場の値動きが気になり、暴落時に怖くなって売却してしまっては、長期投資を続けることが難しくなります。
自分が値下がりしても続けられる金額にすることも重要です。
↓毎月の余裕資金だけでなく、ボーナスも同じように「貯金・投資・使うお金」に分けて考えられます。「ボーナスの使い方」では、50万円・100万円の場合の具体的な振り分け例を紹介しています。↓
年代によって貯金と投資の割合は変えるべき?
「20代なら投資80%」
「40代なら投資50%」
といった年代別の割合を目にすることがあります。
しかし、年齢だけで割合を決める必要はありません。
例えば40代でも、生活防衛資金が十分あり、住宅ローンや教育費の準備もできていて、老後まで20年以上ある資金なら投資を活用する余地があります。
反対に20代でも、
数年以内に結婚する
住宅を購入する
車を買う
など、大きな支出を予定しているなら現金を多く確保する必要があるでしょう。
年代よりも重要なのは、
「そのお金をいつ使うのか」
です。
ただし、年齢が上がって資産を使う時期が近づいてきた場合は、必要な資金を徐々に現金へ移すことも検討しましょう。
子育て世帯は現金を少し多めに考える
子育て世帯では、独身世帯より予定外の支出が発生する可能性があります。
特に、
教育費
習い事
家族旅行
住宅関連費
車の買い替え
など、数年以内に使うお金が多くなりやすいでしょう。
そのため、
「余っているお金は全部新NISAへ」
とする前に、今後数年間に必要になるお金を書き出してみることが大切です。
例えば貯金500万円あっても、
大学資金300万円
車の買い替え100万円
を数年以内に使う予定なら、自由に使える現金が500万円あるわけではありません。
生活防衛資金と教育費などの予定資金を分けたうえで、余裕資金を投資に回しましょう。
投資割合は少しずつ変えてもいい
投資と貯金の割合は、一度決めたら固定するものではありません。

例えば最初は、
貯金70%:投資30%
からスタートしたとします。
生活防衛資金が貯まったら、
貯金50%:投資50%
さらに必要な現金が十分になれば、
貯金30%:投資70%
のように変えていく方法もあります。
反対に、
子どもの大学進学が近づいた
住宅を購入する予定ができた
収入が減った
などの場合は、投資を減らして貯金を増やすこともできます。
大切なのは、
今の家計に合わせて定期的に見直すこと
です。
割合そのものを目標にするのではなく、目的に合わせて割合を変えていきましょう。
↓投資に回せる金額が決まったら、次は毎月いくら積み立てるかを考えてみましょう。「新NISAは毎月いくら積み立てる?」では、積立額を決める考え方を具体例とともに紹介しています。↓

まとめ|貯金と投資は「割合」より「使う時期」で決めよう
投資と貯金の割合に、すべての人に共通する正解はありません。
「50:50が理想」
「若いうちは80%投資」
といった数字だけで決めるのではなく、自分の家計から考えることが大切です。
まずは、
① 生活防衛資金を確保する
② 5年以内など近く使うお金を貯金する
③ 教育費や住宅・車などの予定資金を確保する
④ 残った長期の余裕資金で投資を考える
という順番で整理してみましょう。
例えば毎月10万円余ったとしても、
生活防衛資金が不足している人なら、
貯金6万円+投資4万円
十分な現金がある人なら、
貯金3万円+投資7万円
というように、適した割合は変わります。
そして、今の割合をずっと続ける必要もありません。
家族構成や収入、支出、貯金額が変われば、その都度見直せばいいのです。
「貯金と投資を何対何にするか」よりも、「いつ使うお金なのか」を考える。
この考え方を基本にすると、自分の家庭に合った貯金と投資のバランスを見つけやすくなるでしょう。

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