複利の力をわかりやすく解説|長期投資で資産が増える仕組みとは?

「複利ってよく聞くけど、どういう意味?」

「長期投資では複利が重要って本当?」

「新NISAで積立投資をすると、複利の効果は期待できる?」

新NISAや資産形成について調べていると、よく目にするのが「複利」という言葉です。

複利は、長期的な資産形成を考えるうえで、ぜひ知っておきたい仕組みの一つです。

簡単にいうと複利とは、

運用によって得た利益を再び投資することで、その利益も含めて次の利益を生み出していく仕組み

のことです。

最初の数年間では、それほど大きな効果を感じないかもしれません。

しかし、10年、20年、30年と運用期間が長くなるほど、利益が利益を生み、資産の増え方が大きくなっていく可能性があります。

新NISAでオルカンやS&P500などの投資信託を長期間保有する場合にも、この複利の考え方は重要です。

この記事では、複利の基本的な仕組みから単利との違い、長期間運用した場合のシミュレーション、複利を活かすためのポイントまで初心者向けにわかりやすく解説します。

※この記事で紹介する利回りや資産額は、複利の仕組みを説明するためのシミュレーションです。実際の投資ではリターンは変動し、元本割れする可能性があります。


目次

複利とは?

複利とは、運用によって得た利益を元本に加えて、その利益も一緒に運用していく仕組みです。

言葉だけでは少し分かりにくいので、100万円を運用するケースで考えてみましょう。

たとえば、100万円を年5%で運用できたと仮定します。

1年間で増える金額は、

100万円 × 5% = 5万円

です。

そのため、1年後の資産額は、

100万円 → 105万円

になります。

ここで5万円の利益を使わず、そのまま運用に回すのが複利のポイントです。

2年目は100万円ではなく、105万円を元に運用します。

105万円がさらに5%増えたとすると、

105万円 × 5% = 5万2,500円

となり、2年後の資産額は、

110万2,500円

になります。

1年目の利益は5万円でしたが、2年目は5万2,500円に増えています。

これは、最初の100万円だけではなく、1年目に得た5万円にも利益がついたからです。

つまり、

元本が利益を生む

その利益も運用する

元本+利益がさらに利益を生む

という流れを繰り返していくのが複利です。

複利は「雪だるま」に例えられる

複利はよく、雪だるまに例えられます。

最初は小さな雪玉でも、転がしていくと少しずつ雪がついて大きくなります。

そして雪玉そのものが大きくなれば、一度にくっつく雪の量も増えていきます。

複利もこれと似ています。

運用を始めたばかりのころは資産額が小さいため、増える金額もそれほど大きくありません。

しかし、利益を再投資しながら運用を続けることで元になる資産が増え、同じ利回りでも増える金額が大きくなっていきます。

そのため複利では、「どれくらい長く運用できるか」が非常に重要になります。

複利と単利は何が違う?

複利を理解するときに、一緒に覚えておきたいのが「単利」です。

単利と複利の大きな違いは、利益にも利益がつくかどうかです。

単利では、基本的に最初の元本を基準に利益を計算します。

一方、複利では、運用によって得た利益を元本に加えて運用を続けます。

100万円を年5%で10年間運用すると?

100万円を年5%で10年間運用できたと仮定して比較してみましょう。

まず単利の場合です。

100万円の5%は5万円なので、毎年5万円ずつ増えると考えます。

10年間なら、

5万円 × 10年 = 50万円です。

そのため、

100万円 → 150万円になります。

一方、複利では毎年の利益を再投資します。

同じ100万円を年5%で10年間複利運用できた場合は、

約163万円になります。

つまり、

単利:約150万円

複利:約163万円

となり、約13万円の差が生まれます。

長期間になるほど複利の差は大きくなる

10年間では、

「13万円なら、それほど大きな差ではないのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、複利の特徴は運用期間が長くなるほど差が広がりやすいことです。

100万円を年5%で複利運用できたと仮定すると、

10年後:約163万円

20年後:約265万円

30年後:約432万円

となります。

元本は最初の100万円だけですが、30年間では約432万円まで増える計算です。

もちろん、これは毎年一定の5%で運用できたと仮定したシミュレーションです。

実際の株式市場では、10%以上上昇する年もあれば、大きく下落する年もあります。

そのため、実際の投資がこのように一定のペースで増えるわけではありません。

大切なのは、「年5%なら30年後に必ず432万円になる」

と考えることではなく、

利益を再投資しながら長期間運用することで、複利の効果が大きくなっていく

という仕組みを理解することです。

長期投資では「どの商品を買うか」だけではなく、時間を味方につけて運用を続けることも資産形成における重要なポイントになります。

複利を活かすには、運用で得た利益を再び運用に回すことがポイントです。投資信託の「分配金あり・なし」で長期的な資産額にどのような違いが出るのかは、こちらの記事で詳しく解説しています。

複利の効果は時間が長いほど大きくなる

複利の力を活かすうえで、特に重要なのが「時間」です。

先ほど100万円を年5%で運用した場合、

10年後:約163万円

20年後:約265万円

30年後:約432万円

になるというシミュレーションを紹介しました。

ここで注目したいのは、資産の増え方です。

最初の10年間では、

100万円 → 約163万円

なので、約63万円増えています。

一方、20年後から30年後までの10年間では、

約265万円 → 約432万円

となり、約167万円増えています。

同じ10年間でも、後半のほうが増える金額が大きくなっています。

これは、それまでに得た利益も含めて運用されることで、利益を生み出す元になる資産そのものが大きくなっているからです。

複利は後半になるほど効果を実感しやすい

複利運用を始めても、最初の数年間で資産が急激に増えるわけではありません。

そのため、「思ったより増えないな」と感じることもあるでしょう。

しかし、複利では長く運用するほど利益が積み重なり、その利益がさらに利益を生み出す可能性があります。

資産形成では短期間の結果だけを見るのではなく、10年、20年と長い目で考えることが大切です。

もちろん、実際の投資では毎年一定の利回りになるわけではないため、資産額が一直線に増えるわけではありません。

それでも、長期間運用できる時間を確保することは、複利を活かすうえで重要なポイントです。


毎月の積立投資でも複利の効果は期待できる?

ここまで100万円を一括で投資した例を紹介しましたが、

「まとまった100万円なんて用意できない」という人もいるでしょう。

そこで活用しやすいのが積立投資です。

毎月一定額を投資しながら、運用によって得た利益をそのまま運用に回していくことで、積立投資でも複利の効果を期待できます。

毎月3万円を20年間積み立てるとどうなる?

たとえば毎月3万円を20年間積み立てた場合を考えてみましょう。

運用をしなければ、

3万円 × 12か月 × 20年 = 720万円です。

つまり、自分で積み立てた元本は720万円になります。

一方、毎月3万円を年5%で運用できたと仮定すると、20年後の資産額は約1,230万円になります。

元本720万円に対して、運用によって増えた部分は約510万円です。

※毎月末に積み立て、年5%で一定に運用できたと仮定した概算です。税金・手数料は考慮していません。

もちろん、実際の投資では毎年5%ずつ安定して増えるわけではありません。

それでも、毎月積み立てる+利益を運用に回す+長期間続ける

という組み合わせによって、時間をかけて資産形成を目指すことができます。

長期投資では、毎月コツコツ積み立てる方法だけでなく、まとまった資金を一括で投資する方法もあります。一括投資と積立投資の違いや、それぞれどんな人に向いているのかはこちらの記事で比較しています。

積立額だけでなく「運用期間」も重要

資産を増やそうとすると、

「毎月いくら投資するか」

に目が向きやすいですが、複利では「何年間運用するか」も重要です。

たとえば同じ毎月3万円でも、10年間と20年間では、元本だけでなく運用による利益にも大きな違いが生まれる可能性があります。

だからといって、生活費を削って無理に投資額を増やす必要はありません。

長期投資では、無理なく続けられる金額で、できるだけ長く継続する

という考え方が大切です。

利回りの違いでも長期では大きな差が出る

複利では「時間」と同じくらい、利回りの違いも資産額に影響します。

たとえば100万円を30年間運用できたと仮定します。

年3%なら、

約243万円

年5%なら、

約432万円

年7%なら、

約761万円

となります。

同じ100万円、同じ30年間でも、想定する利回りによって大きな差があります。

高い利回りだけを狙えばいいわけではない

ここで注意したいのが、

「それなら年7%より10%、10%より15%を狙えばいい」

と考えてしまうことです。

一般的に、高いリターンを期待できる投資ほど価格変動などのリスクも大きくなる傾向があります。

将来の利回りを正確に予測することもできません。

複利を活かした長期投資で大切なのは、短期間で大きく増やそうとすることではなく、

自分が許容できるリスクの範囲で、長期間運用を続けることです。

途中で大きな値下がりが起きることもあります。

そこで怖くなって投資をやめてしまえば、その後の運用期間も短くなってしまいます。

複利を活かすためにも、無理なリターンを狙うのではなく、長く続けられる投資方法を選ぶことが重要です。

新NISAで複利を活かすには?

複利を活かしながら長期的な資産形成を目指すなら、新NISAとの組み合わせも選択肢になります。

新NISAでは、制度の対象となる投資から得た利益が非課税になります。

通常、課税口座で投資信託などを売却して利益が出ると、その利益には約20%の税金がかかります。

一方、新NISAでは対象となる運用益が非課税になるため、利益をより多く手元に残せます。

長期間運用して利益が大きくなれば、非課税のメリットも大きくなる可能性があります。

新NISAでは対象となる運用益が非課税になりますが、すべてのお金に税金がかからないという意味ではありません。新NISAで非課税になる利益や注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。

利益を再投資する商品と複利は相性がいい

複利を活かすためには、運用によって得た利益を再び運用に回すことがポイントです。

投資信託には、運用によって得た収益を分配金として投資家に支払う商品もあれば、ファンド内で運用を続ける商品もあります。

長期的な資産形成を目的とする場合は、利益を運用に回し続けることで複利の効果を活かしやすくなります。

たとえば、新NISAでも人気のオルカンなどは、長期的な資産形成を目的として保有する人も多いインデックスファンドです。

ただし、新NISAを利用すれば必ず資産が増えるわけではありません。

投資している商品の価格が下がれば、新NISAでも元本割れする可能性があります。

「新NISA=安全な投資」ではなく、税制上のメリットがある制度

と理解しておきましょう。

新NISAで人気のオルカンも、長期的な資産形成に活用されているインデックスファンドの一つです。オルカンの仕組みや投資先については、こちらの記事で詳しく解説しています。


複利の効果を活かすために大切な3つのポイント

複利の仕組み自体はシンプルですが、その効果を活かすためにはいくつか意識しておきたいポイントがあります。

① できるだけ長く運用する

まず大切なのが、運用期間を長くすることです。

複利は最初の数年間よりも、10年、20年と運用を続けた後のほうが効果が大きくなりやすい特徴があります。

そのため、

「資産形成はまだ先でいい」

と考えるより、無理のない範囲で早めに始めることで、運用できる時間を長く確保できます。

ただし、早く始めるために生活費や近いうちに使う予定のお金まで投資する必要はありません。

あくまで余裕資金で行うことが大切です。

② 利益をできるだけ運用に回す

複利の基本は、利益がさらに利益を生むことです。

運用によって得た利益を毎回使ってしまえば、そのお金から新しい利益は生まれません。

長期的な資産形成を優先するのであれば、必要がない利益はできるだけ運用に回すことで複利を活かしやすくなります。

もちろん、資産形成の目的によっては分配金などを受け取ることが悪いわけではありません。

老後などに定期的な収入が欲しい場合には、利益を受け取る方法が合っていることもあります。

大切なのは、自分が何のために投資しているのかを考えて選ぶことです。

③ コストを抑える

長期投資では、投資信託の信託報酬などのコストも重要です。

わずかなコストの違いでも、20年、30年と続けば積み重なっていきます。

その分だけ運用に回せる資産が少なくなるため、商品を選ぶときには信託報酬なども確認しておきましょう。

ただし、単純に「一番安い商品を選べばいい」というわけではありません。

投資対象や運用方針を確認したうえで、同じような商品を比較するときにコストを見ることが大切です。

長期投資では、信託報酬のわずかな違いも長い年月をかけて積み重なります。信託報酬0.1%と1%でどのくらい差が出るのかは、こちらの記事でシミュレーションしています。

複利を活かすなら短期的な値動きに振り回されない

複利の効果を期待して長期投資を始めても、実際の運用では資産が減る時期があります。

株式市場では、

上昇 → 下落 → 回復 → 上昇

を繰り返しながら長期的に推移してきました。

場合によっては、一時的に資産額が20%、30%以上下落することもあります。

そのとき、

「これ以上下がったら怖いから全部売ろう」

と考えてしまうこともあるでしょう。

しかし、売却して投資そのものをやめてしまえば、その後の運用による複利効果も期待できなくなります。

もちろん、どんな状況でも絶対に売ってはいけないという意味ではありません。

生活状況が変わったり、お金が必要になったりすれば、資産を取り崩すこともあります。

重要なのは、短期的な値動きだけを理由に投資方針を頻繁に変更しないことです。

そのためにも、暴落が起きても生活に困らないよう、生活防衛資金を確保したうえで余裕資金を投資することが大切です。

まとめ|複利の力を活かすカギは「時間」

今回は、長期的な資産形成で重要になる複利の力について解説しました。

最後にポイントを整理します。

複利とは、運用で得た利益を再投資して、その利益にも利益がつく仕組み

運用期間が長くなるほど複利の効果は大きくなりやすい

一括投資だけでなく、毎月の積立投資でも複利の効果を期待できる

新NISAを活用すれば、対象となる運用益を非課税にできる

利益を再投資し、コストを抑えることも長期的な資産形成では重要

短期的な値動きに振り回されず、無理のない金額で長く続けることが大切

複利というと、

「高い利回りで運用することが重要」

と思うかもしれません。

しかし、複利の大きな特徴は時間を味方につけられることです。

100万円を年5%で運用したシミュレーションでも、10年では約163万円だったものが、20年では約265万円、30年では約432万円になりました。

運用期間が長くなるにつれて、元本だけでなく、それまでに生まれた利益も新しい利益を生み出していきます。

だからこそ、長期的な資産形成では短期間で大きく増やそうとするより、

無理のない金額で始める

利益をできるだけ運用に回す

そして長く続ける

というシンプルな考え方が重要です。

複利は短期間で資産を一気に増やす魔法ではありません。

時間をかけて少しずつ効果が積み重なっていく仕組みだからこそ、新NISAなどを活用した長期投資では大きな味方になってくれます。

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この記事を書いた人

40代会社員・3児の父。家族の将来を考え、新NISA・家づくり・子育てを実践中。実体験をもとに、暮らしに役立つ情報をわかりやすく発信しています。

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